NIPTの国内・海外の違いとは? | NIPTの背景を国別に比較


NIPT(新型出生前診断)の国内と海外の違いをあなたは知っていますか?
この記事では「NIPT(新型出生前診断)の国内・海外の違い」について比較しています。

結論、NIPT(新型出生前診断)は国内と海外を比較しても変わる部分はありません。
NIPT(新型出生前診断)を検討する際、知っておきたい「海外のNIPT(新型出生前診断)事情」を調査した結果をまとめたので、ぜひ見ていただければと思います。
その他にも「認可施設・認可外施設」や「各国の中絶状況」についても説明していますので、この記事を読んでNIPT(新型出生前診断)の参考にしていたただければ幸いです。

また「NIPTの検査結果」について知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。

NIPT(新型出生前診断)の国内施設の比較

NIPT(新型出生前診断)の国内施設の比較

NIPT(新型出生前診断)を行える施設は大きくわけると、国内で2ヶ所あります。
実際に検査を受ける前に、何が違うのかを認識し自分に合ったものを選ぶことが大切です。

  • 認可施設
  • 認可外施設

それぞれ詳しく見てみましょう。

認可施設

認可施設は、日本医学会と日本産科婦人科学会が定めた厳しい条件を満たしている施設を指します。
条件を全て満たすのがかなり難しいのもあってそのほとんどが大病院となり、全国でも106ヶ所しかありません。
検査を受けるのにも一定の条件が課せられているのもあって、希望すれば誰でも受けられる訳ではないというのもポイントです。

そのため受けるのにも少しハードルが高いのが、認可施設となっています。

検査項目判明する症状
21トリソミーダウン症
18トリソミーエドワーズ症候群
13トリソミーパトー症候群

認可外施設

認可外施設は、日本医学会・日本産科婦人科学会から認定を受けていない施設です。
認可外となっていますが、違法ではありません

そのため認可施設では厳しく設けられていた条件が設けられていないものも多く、希望するタイミングで受診・検査を行えるのが特徴です。
また認可施設よりも多くの検査項目ができるのも認可外施設ならではでしょう。
一方で検査後、対面での遺伝カウンセリング体制がないクリニックも多いため、検査前には不明点について受付センターなどに問い合わせクリアにしておく必要があるといえます。

認可外施設で行える検査項目

  • 13・18・21番染色体(三大トリソミー)検査・性染色体検査
  • 全染色体検査
  • 微小欠失検査
  • 全染色体検査

NIPT(新型出生前診断)は国内・海外の会社で検査している

NIPT(新型出生前診断)は国内・海外の会社で検査している

NIPT(新型出生前診断)は採取した検体を国内・海外の会社で検査しています。
海外での検査の場合、海外に送って検査することもあり、結果が出るまでに10日間~2週間程度かかることが多い模様です。微小欠失検査(染色体の形の異常を調べる検査)については海外でのみ対応しているクリニックが多いようで、微小欠失検査を受けることを検討している人は、検査結果が出るまでに時間がかかることを考慮し、受検する時期を考えると安心でしょう。

NIPT(新型出生前診断)の国内・海外の会社比較

NIPT(新型出生前診断)の国内・海外の会社比較

NIPT(新型出生前診断)は国内と海外ではどのように違ってくるのでしょうか。

ここからは厚生労働省の調査を元に、以下の国についてまとめています。

  • イギリス
  • アメリカ
  • ドイツ
  • フランス
  • 日本

それぞれ詳しく見てみましょう。

イギリス

イギリスでは国をあげて女性の自主的選択を推奨しているのもあって、おおよそ90%の妊婦がNIPT(新型出生前診断)を受けています。
日本と同じく保険外適用で自負負担なのにもかからわず、非常に多く人が選択しているのです。
チャリティ団体による、NIPT(新型出生前診断)によって病気が判明した人専門の相談機関があるなど、検査後のケアが充実しているのがその理由の1つでしょう。

検査から検査後の相談まで母子保護行政として取り組んでいるのがイギリスです。

出生前検査の法制度なし
NIPT(新型出生前診断)に関する指針あり
対象疾患13番・18番・21番の染色体
公的補助あり
サポート体制民間組織「ARC」が実施

アメリカ

アメリカでは、対象者が拒否しない限りは通常の検査としてNIPT(新型出生前診断)を受けられます。

検査も保険適用となっているのもあって、比較的安価で検査を受けられるのが特徴です。
検査前に渡されるパンフレットによって、NIPT(新型出生前診断)の種類や選択肢、確率まで詳しく書かれているため、事前に知識を得られるようになっています。
もし陽性となった場合でも専門医のカウンセリングや、産後のサポートもしっかりしてくれるため、ダウン症の中絶率が6割程度です。

NIPT(新型出生前診断)を受けやすい環境なのがアメリカです。

出生前検査の法制度あり
NIPT(新型出生前診断)に関する指針あり
対象疾患13番・18番・21番の染色体
※希望すればオプションで他の検査も可能
公的補助あり
サポート体制あり

ドイツ

NIPT ドイツ

ドイツでは、NIPT(新型出生前診断)が妊娠検査のオプションとして受けられるようになっています。

法律によってドイツ全国に無料相談所が設置されているのもあって、気軽に相談できる体制が整っているのです。
保険適用ということもあり、気軽に検査を受けられる環境が整っていると言えます。

出生前検査医の法制度あり
NIPT(新型出生前診断)に関する指針あり
対象疾患13番・18番・21番の染色体
公的補助あり
サポート体制公的な相談支援を無料で受けられる

フランス

フランスでは、NIPT(新型出生前診断)は自由診療扱いとなっていて保険適用外です。
そのため日本と同様に高額となり、検査を希望する人が少ないという点で似ています。

日本とフランスが違う点は人工中絶を認めている点にあり、女性の自己決定権を認める形で合法化されています。
そのため保険適用外は同じでも、その後の選択が大きく変わるのがフランスです。

出生前検査医の法制度なし
NIPT(新型出生前診断)に関する指針あり
対象疾患13番・18番・21番の染色体
公的補助なし
サポート体制あり

日本

日本では、NIPT(新型出生前診断)は保険外適用となり高額診療となっているのが特徴です。

認可施設の数が少なく、中には認可施設が1つもない県もあるため、気軽に検査を受けられる環境だと言いにくいのが現状でしょう。
認定遺伝カウンセリングを実施している施設もあれば実施していない施設もあるため、サポート体制もまだ不十分と言えます。

出生前検査医の法制度なし
NIPT(新型出生前診断)に関する指針あり
対象疾患13番・18番・21番の染色体
公的補助なし
サポート体制あり

NIPT(新型出生前診断)を国内で受ける際の注意点

NIPT(新型出生前診断)を国内で受ける際の注意点

NIPT(新型出生前診断)を国内で受ける場合、注意しておきたいポイントがあります。

特に以下の点を知っておかないと、検査を受けた後で後悔することにもなりかねません。

  • すべての病気が判明するわけではない
  • 自費負担となり高額

それぞれ詳しく見てみましょう。

すべての病気が判明するわけではない

NIPT(新型出生前診断)を受けたからといって、すべての病気が判明するわけではありません
NIPT(新型出生前診断)で判明する病気は、三大トリソミーの症候群、ターナー症候群など性染色体に関する症候群、4p欠失症候群など微笑欠失検査を受検し判明する症候群などに限られます。またNIPT(新型出生前診断)は非確定検査のため、陽性の結果が出たからと言って、100%の結果ではないためNIPT(新型出生前診断)と合わせて、羊水検査や絨毛検査など確定検査も併せて受検することがおすすめです。

ただし羊水検査や絨毛検査の場合、母体に穿刺を行うものなので少なからず流産のリスクがあります。NIPT(新型出生前診断)の場合、腕からの採血のためこうした流産リスクがないのがメリットで、NIPT(新型出生前診断)検査で陰性の結果が出れば99%の確率で陰性だということになるので、NIPT(新型出生前診断)検査のみで完結すればこうした意味では安心といえるかもしれませんね。

自費負担となり高額

施設によってばらつきがありますが、NIPT(新型出生前診断)は自費負担のため高額となります。通常の診療費と比べても非常に高く感じるでしょう。遺伝カウンセリングを実施している施設で無料で行っていない場合、その金額も加算されます。
そのためNIPT(新型出生前診断)全体を通してみても負担は非常に大きいと言えます。

検査を受ける際は、家族で相談してから受ける方が良いでしょう。

NIPT(新型出生前診断)と中絶について国内・海外の違い

NIPT(新型出生前診断)と中絶について国内・海外の違い

NIPT(新型出生前診断)と切っても切り離せないのが中絶です。
もし赤ちゃんが陽性だったら? と不安を覚えると同時に候補として考えてしまうのが中絶でもあります。
今回は以下の国がNIPT(新型出生前診断)と中絶をどのように関連づけているのか詳しく見てみます。

  • 日本
  • イギリス
  • アメリカ
  • ドイツ

日本

日本では「堕胎罪」があり、妊娠中の女性や医師が中絶を行うことは法律で禁止されています。

しかし完全にできないかというとそうでもなく、「母体保護法」によって以下の条件を満たせば可能です。

  • 妊娠や出産が妊婦の健康に影響を及ぼす場合
  • 妊娠や出産により経済的問題が起こる可能性がある場合
  • 性被害により妊娠した場合

見てもわかるように、妊婦さんの命や健康を保護するのが目的となっています。また、パートナーの同意も必要なのが日本の人口妊娠中絶の特徴です。

イギリス

イギリスではNIPT(新型出生前診断)が無料で行われている背景から、人口妊娠中絶も法律で認められています。これは中絶が女性の権利として考えられているためです。

イギリスの場合、女性の権利とは別に社会福祉政策の1つとしての側面も持っています。

  • 家族の数が増えて貧困化するのを防ぐ
  • 中絶は女性の権利である
  • 赤ちゃんの心身に重大な異常がある

イギリスでは障害者に対して公的補助を受けられるのもあり、最終的な判断は両親に委ねられています。

アメリカ

NIPT アメリカ

アメリカでは、人口妊娠中絶が認められているため、女性の権利として行われるケースがあります。
日本と同じように、女性の身体的・経済的な負担や望まぬ妊娠などの際に行われています。

一方で宗教的な面から否定的な意見を持っている人が多くいるのもアメリカの特徴です。
州選挙や連邦選挙でしばしば争点になるほど、アメリカの人工妊娠中絶に対しての考え方は様々なものがあります。

ドイツ

ドイツでは、第二次世界大戦の歴史的背景から長らく人工妊娠中絶が禁止されていた背景があります。2022年5月現在でも胎児の障害を理由とした選択中絶は法律で禁止されています。

しかしながらNIPT(新型出生前診断)を比較的受けやすい環境なのもあって、法の拡大解釈として陽性者の9割が人工妊娠中絶を行っているのが現状です。
ただ誰でも望めばできるのではなく、中絶の3日前までに妊娠葛藤相談所でカウンセリングを受けることが義務付けられています。

NIPT(新型出生前診断)における中絶の問題点

NIPT(新型出生前診断)における中絶の問題点

NIPT(新型出生前診断)における問題点として、陽性により中絶を希望する人の役割が多いというものがあります。もちろん陽性を希望する方々は、悩みに悩み抜いた末に決断しています。
しかしNIPT(新型出生前診断)は本来赤ちゃんの健康を知るための検査であったはずが、「命の選別」へと繋がっているのも現状です。

NIPT(新型出生前診断)に深く関わっている日本産科婦人科学会などの団体は、人工妊娠中絶には否定的立場を取っています。
認可・認可外施設などNIPT(新型出生前診断)は、まだ様々な問題を抱えていると言えます。

NIPT(新型出生前診断)は国内と海外でそれほど変わらない

NIPT(新型出生前診断)は国内と海外でそれほど変わらない

NIPT(新型出生前診断)は、国内と海外で比べてもそれほど変わりはありません。
アメリカやイギリスといった欧米各国ではNIPT(新型出生前診断)を選択することが女性の権利として認められ、希望する女性も多いのが事実です。

日本においても年々その需要は高まってきていますが、生まれてくる赤ちゃんの健康状態で明らかにできることを少しでも明らかにしておき、余裕をもって赤ちゃんを迎えられるための安心材料にすることがNIPT(新型出生前診断)を受ける意味の一つともいえるでしょう。

様々なNIPT(新型出生前診断)の基幹施設がありますが、自身や周りの家族が知りたい赤ちゃんの状態によって受検する検査項目を選択できるクリニックを選ぶことをおすすめします。

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