安定期はいつからいつまで?|安定期までの過ごし方や注意点を解説
はじめての妊娠は体調やボディラインの変化に戸惑うことも多いです。
また、待ちに待った妊娠でも、安定期をすぎるまではなんだか気持ちが落ち着かないですよね。
「はやく安定期にきてほしい」と思っている人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、安定期までの過ごし方や、つわりとの付き合い方などを解説しています。
妊娠の発覚はいつ?
妊娠を望んでいる人にとって、早く妊娠しているかどうか知りたくて、ドキドキしますよね。
しかし、あまりに早く妊娠検査薬を使用すると、正しく判定できないことがあります。
妊娠検査薬を使用して妊娠を正しく判定できるのは、妊娠5週目後半です。
妊娠検査薬は、妊娠時胎盤から作られるhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)に反応して妊娠を判定します。
妊娠していても、判定できる時期よりも早く妊娠検査薬を使用すると、hCGの分泌が少ないため正しく判定できません。
また、病院での妊娠検査であっても、妊娠を判別できる時期は変わりません。
使用直後は陽性を示さなかった妊娠検査薬が、しばらくたってからうっすら陽性ラインをしめすことがあります。
これは一般的に蒸発線と呼ばれ、陰性と判断されます。
蒸発線は尿の水分が蒸発し、尿中の成分に反応しているものです。
つわりがはじまる時期はいつからいつまで?
妊娠の悩みで最も多いのが、つわりです。
つわりは個人差が大きく、誘発条件も人によってさまざま。
妊娠がはじめての人は、いつからつわりがはじまり、いつ終わるのか不安に感じていることと思います。
一般的に、妊娠5週目からはじまり、妊娠16週でつわりが落ち着く人が多いです。
ただし、人によっては、出産ギリギリまでつわりに悩む人もいるようです。
つわりの種類と対策方法
つわりの症状は、人によってさまざまです。
つわりの種類と対策方法は以下の通り。
吐きづわり |
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食べづわり |
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においづわり |
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眠りづわり |
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よだれづわり |
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つわりがひどい時期は無理をせず、身体を休めることが大切です。
つわりが誘発される状況を見極め、上手に付き合っていく方法を探しましょう。
妊娠安定期はいつから?
安定期は、妊娠16週(妊娠5か月)からです。
妊娠16週をすぎると、初期流産のリスクやつわりが軽減します。
安定期といっても、まったく流産の心配がなくなるわけではありません。
安定期に入ったからといって、無理は禁物です。
妊娠16週をすぎた最初の戌の日は、安産祈願を行う習慣があります。
犬はお産が軽く、一度に多くの子どもを産むため、安産の象徴とされています。
安産祈願は、おなかに腹帯を巻いて安産を祈願することから、帯祝いや着帯式とよばれることもあるようです。
【妊娠初期】妊娠5週目~安定期までに気をつけること
妊娠安定期までは初期流産のリスクがあるため、注意して生活を送る必要があります。
身体の変化にも慣れず、戸惑うことも多いため、まずはストレスの少ない生活を心がけてくださいね。
その上で、以下のことに気をつけて、妊婦生活を送りましょう。
- 薬を飲むときは医師に相談する
- 飲酒・喫煙は厳禁
- 身体に負担がかかる運動は避ける
- 妊娠中は食べられない食べ物がある
- 体調がよければ夫婦生活もOK
とくに、飲酒や喫煙、薬はお腹にいる赤ちゃんへ悪影響を与えるため注意が必要です。
妊娠をすると便秘になりやすいため、便秘薬を使用する人も多いですが、産婦人科に相談して、処方してもらった薬を使用しましょう。
それぞれの注意点をよりくわしく解説していくので、はじめて妊娠生活を送っている人は、しっかり頭にいれておいてくださいね。
薬を飲むときは医師に相談する
妊婦さんも病気になったり、風邪をひいたりして薬を使用することがありますよね。
妊娠中はお母さんの体調によって子どもの発育に影響をもたらします。
持病を持っている場合は、症状をしっかりコントロールすることが大切です。
持病を薬でコントロールする場合は、医師に相談して赤ちゃんに影響が少ない薬に変更しましょう。
薬による胎児への影響は以下の通り。
妊娠3週まで | 影響なし |
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妊娠4週~7週 | 神経・心臓・消化器官・手足が作られる時期のため、奇形を起こす可能性がある。 |
妊娠8週~16週 | 神経・心臓・消化器官・手足が作られる時期が遅れることもあるため、引き続き奇形を起こす可能性がある。 |
妊娠17週~ | 胎児の活動や発育に影響がでる可能性がある。 母胎の貧血・出産後の出血・難産・死産・新生児の体重減少が起こる可能性がある。 |
妊娠中に使用する薬によっては、発達障がいや奇形などのリスクがあります。
便秘薬や鎮痛剤であっても市販薬は使わず、妊娠を伝えたうえで医師に処方してもらいましょう。
飲酒・喫煙は厳禁
飲酒や喫煙は、胎児の発育や流産、早産などに影響を与えます。
たとえば飲酒は、胎児性アルコール症候群を引き起こし、奇形や発育遅延、神経障害を引き起こします。
また、妊娠中の喫煙は、心臓や中枢神経、腹壁への奇形発生率の増加が報告されているため、注意が必要です。
飲酒や喫煙による胎児への影響は以下の通り。
飲酒 | 発育遅延・成長障害・精神遅滞・多動症・中枢神経障害・小頭症・頭蓋顔面奇形・心奇形・関節異常 |
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喫煙 | 流産・早産・前置胎盤・胎盤早期剥離・発育遅延・心奇形・中枢神経系奇形・腹壁奇形・一側性胸筋欠損・口唇口蓋裂・神経発達障害 |
非喫煙者の早産率は6%です。
一方、一日に10本以上喫煙習慣があると、早産率が11%~13%にまで跳ね上がります。
妊娠早期に禁酒・喫煙をした場合は、ほぼ通常通り出産が行えるので、飲酒・喫煙の習慣がある人は、妊娠が発覚したら直ちに摂取を辞めましょう。
身体に負担がかかる運動は避ける
妊娠中の過度な運動は、切迫流産や早産につながる恐れがあります。
また、ケガや転倒のリスクもあるので、身体に過度な負担がかかる運動は控えましょう。
運動自体が胎児に影響を与えることはありません。
妊娠前から継続していた運動であれば、特に心配はないといえます。
ただし、お腹の張りや痛みがあるときや、出血が起こった場合は、運動をすぐ中止して、かかりつけの産婦人科に指示を仰ぎましょう。
妊娠中は食べられない食べ物がある
妊娠中は、食中毒を引き起こしやすい食べ物や、胎児に影響が大きい食べ物は控える必要があります。
妊娠中は普段よりも免疫力が低下するので、食中毒の発症リスクが高まります。
また、加熱されていない食べ物には、トキソプラズマという寄生虫が潜んでいる可能性もあり、大変危険です。
トキソプラズマが妊婦の体内に入ると、流産や死産、胎児に障害を引き起こす可能性があります。
そのほかの、妊娠中に気をつけたい食べ物は以下の通り。
- 生もの
- アルコール飲料
- カフェイン(コーヒー・紅茶・緑茶・ウーロン茶など)
- 水銀を多く含む魚(マグロ・金目鯛・メカジキなど)
- ビタミンAを多く含む食べ物(レバー・うなぎなど)
- 加工食品
- インスタント食品
- 海藻(こんぶ・わかめなど)
上記の食べ物は、母体や胎児に悪影響を与える可能性があります。
妊娠初期は食事に気を配り、リスクの高い食べ物は控えましょう。
体調がよければ夫婦生活もOK
妊娠の経過が良好で、体調がよければ夫婦生活を行っても問題ありません。
しかし、つわりで体調が悪いときや、おなかが張りやすい人は、性行為を控えたほうがいいでしょう。
また、経過が良好であっても、妊娠後期には子宮口が柔らかくなるため、出血や破水、早産のリスクを伴います。
下記に、妊娠中の性行為を控えたほうがいい人をまとめたので、参考にしてみてくださいね。
- 体調が優れない
- 妊娠後期
- お腹が張りやすい
- 過去に流産経験がある
過去に流産経験がある人は、性生活について医師に相談しておきましょう。
【妊娠初期】妊娠安定期までの過ごし方
妊娠初期は、つわりや急激な体調変化が起こりやすい時期。
妊娠が順調で、体調に問題がなければ普通に生活していて問題ありません。
しかし、体調が悪いときはむりをせず、ゆっくり休憩を取りましょう。
妊娠初期を過ごす中で、積極的にとりいれたいものは以下の通り。
- 適度に運動をする
- バランスのとれた食事
- サプリメントで葉酸を補う
それぞれの項目をよりくわしく解説するので、妊娠生活に取り入れてみてください。
適度に運動をする
適度な運動は、ストレス解消効果があり、急激な体重増加を防げます。とくに、ウォーキングやマタニティヨガは、妊娠していても安心して行えます。
市区町村や産院によっては、マタニティヨガの教室を開催している場合もあるので、チェックしてみましょう。
ただし、切迫早産やお腹の張りが強いときは、無理して運動をせずに安静にすることが大切です。
運動をするときは医師に相談をしてから取り組んでくださいね。
バランスのとれた食事
妊娠中は、タンパク質・鉄分・カルシウム・葉酸・食物繊維、5つの栄養素がとても重要です。
これらの栄養素は、胎児の発育を促し、先天性の疾患を防ぎます。
また、妊娠中の不調を防ぐ役割もあるため、積極的に摂取しましょう。
5つの栄養素の役割は、以下にくわしくまとめています。
タンパク質 |
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鉄分 |
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カルシウム |
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葉酸 |
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食物繊維 |
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お母さんの食事が胎児の栄養になるため、バランスのとれた食事に気を配りましょう。
サプリメントで葉酸を補う
先ほど重要な栄養素として紹介した葉酸は、食事から十分量を摂取するのが難しいといわれています。
難しい理由としては、葉酸は光や熱に弱く、非常に不安定な栄養素であるからです。
妊娠中に必要な葉酸は、1日480㎍です。
しかし、実際日本人の平均摂取量は、288.7㎍にとどまります。
食事だけで摂取できない葉酸は、サプリメントで補ってあげましょう。
【妊娠安定期】妊娠16週~の過ごし方
妊娠16週をすぎたら、出産に向けた準備を進めましょう。
とくに、妊娠中は口腔トラブルが起こりやすいので、この時期にメンテナンスをしておくことが大切です。
また、安定期をすぎるとお腹が大きくなるため、マタニティフォトをとっておくと、一生の記念になるでしょう。
安定期にしておきたいことは以下の通り。
- マタニティフォト
- 出産準備
- むし歯の治療をする
- 両親学級へ参加する
- 夫婦のコミュニケーションを大切にする
出産後はゆっくりできる時間が取れないので、この時期に夫婦のコミュニケーションを楽しんでくださいね。
妊娠中に起こるマイナートラブル
妊娠中は、多くのマイナートラブルに見舞われます。
その代表がつわりです。
そのほかにも、以下のようなマイナートラブルがあります。
- 便秘・頻尿
- 貧血
- 腰痛
- 動悸・息切れ
- 皮膚が敏感になる
これらの症状は、出産とともにゆっくり落ち着いていきます。
妊娠中の旅行は注意が必要
「出産後は旅行に行けないから、妊娠中にいろいろな場所に行きたい」と考える人が多く、マタ旅という言葉も生まれています。しかし、妊娠中は思わぬトラブルに見舞われることもあり、旅行をする際は注意が必要です。例えば、海水浴は細菌による感染を引き起こす可能性があったり、テーマパークの絶叫マシンでえお腹が張ってしまったり…。
場合によっては、切迫早産につながるおそれがあります。
旅行をするときは場所選びに気をつけ、必ず母子手帳と健康保険証を携帯しましょう。
妊娠が発覚したらどのくらいの期間仕事を続けられる?
妊娠が順調な場合は、妊娠33週目(妊娠9か月)まで仕事を続けられます。
ただし、双子を妊娠している場合、仕事を続けられるのは妊娠25週目(妊娠7か月)まで。
出産後は、産後8週間後から仕事復帰ができます。
この期間は労働基準法によって定められています。
また、産後1年間は育児休暇を取得できるため、乳幼児のうちは育児に専念できますよ。
職場や親に妊娠を報告するのは安定期を過ぎてからがおすすめ
妊娠初期は自然流産の可能性があるため、万が一のことを考慮して、安定期がすぎてから周囲に報告をはじめましょう。
ただし、つわりがひどい場合は、周囲のサポートが受けられるよう、早い段階で直属の上司に相談しておくことがおすすめです。
もしつわりがひどい状況で欠勤が続くと、仕事を続けること自体難しくなってしまいます。
自身の体調を考慮して、報告の時期をずらすことも大切です。
妊娠中は出産後にできないことをして過ごそう
出産後は、赤ちゃんのお世話に大忙しで、ゆっくりする時間はなかなか取れません。
そのため、妊娠中は出産後にできないことをして、ゆっくり過ごすのがおすすめです。
この記事では、妊娠初期の過ごし方を中心に、妊娠中の注意事項などを解説しました。
この記事を参考に、楽しいマタニティライフを過ごしてくださいね。