妊娠線対策はいつから始める?消えるの?原因や予防、ケア方法などの疑問を徹底解説!
「ママになっても綺麗でいたい!」と考える女性は多いかとおもいます。
そうした女性の多くは、美容に力を入れたり、産後も妊娠前のプロポーションを取り戻そうと努力します。
ですが、出産後に頑張るママを悩ませるのが、妊娠中にできてしまった「妊娠線」ではないでしょうか。
妊娠線とは、お腹や背中など脂肪のつきやすい場所に稲妻のような跡が残ってしまう肉割れ線です。妊娠中から警戒してケアしている妊婦さんも多いことでしょう。
ここでは、妊娠線のできる理由やできやすい身体の場所、時期や予防方法、さらには妊娠線予防のクリームなどを徹底解説していきます。
妊娠線ができても健康上の問題はありません。ですが気になる妊婦さんは予防の参考にしてみて下さい。それでは見ていきましょう。
妊娠線ってなに?
妊娠線とは、妊娠中に生じやすい急激な体形変動により起こる肉割れ線の事です。正式名称は「線状皮膚萎縮症(または、皮膚伸展線条)」といいます。また、ストレッチマークとも呼ばれています。
始めはピンク色や赤味のある線が痣のように現れます。それが徐々に赤黒く変化していくのが特徴です。
産後は白っぽくなり、比較的目立ちにくくなる場合もありますが、完全に消えることはないと言われています。
なぜ妊娠線はできるの?
妊娠線は妊娠したからといって必ずできるものではありません。
妊娠線ができる人と、できない人との違いは、妊娠線ができる理由を知れば明白です。
ここからは、なぜ妊娠線ができるかを解説していきましょう。
急に大きくなるお腹に皮膚が順応できないから
「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造から皮膚はできています。3層のうち、人の目に見えている部分は最も伸縮性の高い「表皮」と言います。その下にコラーゲンやエスラチンなど肌の弾力成分を含む層である「真皮」があり、一番下に「皮下組織」があります。
皮下組織には脂肪がつきやすく、皮下組織につく脂肪を皮下脂肪と言います。
妊娠中に急に体重が増加すると皮下組織内に脂肪が蓄えられて膨張します。その皮下脂肪の膨張によって引っ張られるように真皮や表皮も伸びていきます。
ところが、真皮は表皮ほど柔軟性がありません。皮下組織の膨張に耐えられなくなると真皮は裂けてしまいます。これが妊娠線のできる最も大きな原因です。
柔らかく伸びやすい表皮は、真皮が裂けても表面に出血するなどの症状は起こりません。
真皮は一度裂けてしまうと完全に修復されることはありません。妊娠線は皮下組織の脂肪がなくなったとしても残ってしまいます。
皮膚がホルモンの影響で割れやすい状態になっているから
妊娠中は副腎皮質ホルモンが多く分泌されます。副腎皮質ホルモンは皮膚のターンオーバーとも言われる基礎代謝やコラーゲンの生成を抑える作用があります。
肌は約28日周期で基礎代謝(新しく生まれ変わる)を繰り返します。副腎皮質ホルモンによって基礎代謝が抑制され、伸縮性の弱まった古い組織が肌に長く留まることになります。そして副腎皮質ホルモンはコラーゲンの生成も抑制します。コラーゲンは真皮に柔軟性を与える重要な栄養素です。
副腎皮質ホルモンの影響により、妊婦さんの肌は普段より肉割れを起こしやすい状態になっていると言えるでしょう。
妊婦さんのお腹の大小に関わらず妊娠線ができてしまうのは、副腎皮質ホルモンの影響を強く受けていることも原因と考えられています。
妊娠線ができやすい場所
妊娠線と言うと、お腹の下あたりにでることをイメージする人が多いと思います。確かに子宮があるこの位置は、特に大きくなりやすいため、妊娠線がでやすい場所です。
しかし、妊娠線はお腹以外の場所にできることもあるので注意が必要です。妊娠線がお腹以外の場所にできることを知っておくことは妊婦さんにとっても悪いことではないでしょう。
【妊娠線のできやすい場所】
- 二の腕
- 脇の下
- バスト
- お腹
- 背中
- お尻
- 太もも
- 膝裏
特に妊娠して乳房が大きくなる際、脇やバストには妊娠線ができやすいとされています。
また、骨盤の開きと共におしりや太ももにも脂肪がつきやすくなります。ですから、これらの場所にも妊娠線ができやすいと言えます。
ただ、妊娠線はできても痛みや違和感などが無いため、見えない所にできてしまうと気付くのは困難です。妊娠線を予防するためには、全身のケアが必要です。
妊娠線ができやすい人の特徴
妊娠線ができやすい妊婦には4つの特徴があります。これに当てはまる妊婦は特に、妊娠線対策を徹底することをオススメします。
- 乾燥肌の人
- 骨盤の小さい人
- 経産婦
- 多胎妊娠の人
乾燥肌は柔軟性を低下させます。特にアトピー性皮膚炎などで慢性的に乾燥状態が続く妊婦は、妊娠線ができやすい傾向にあります。また、骨盤が小さい人・経産婦・多胎妊娠の妊婦はお腹が大きく膨らみやすいのが特徴です。
皮下脂肪による膨張だけでなく、お腹の赤ちゃんの成長による子宮の膨らみによっても妊娠線はできます。特に真皮は横向きの伸縮力が弱いため、お腹が大きく前に出ることで肌が横に引っ張られると妊娠線ができやすいと言われています。
妊娠線ができやすい時期は?
妊娠線は体型変動が大きい妊娠中期以降にできやすいと言われています。
特に妊娠7ヶ月以降はお腹の赤ちゃんが1ヶ月に500g近く大きくなっていくことや、
つわりがおさまり、食欲が戻り体重が増加しやすいのも、妊娠中期以降に妊娠線ができやすい理由と言えるでしょう。
妊娠線を予防する方法
妊娠線ができる理由や、できやすい時期について説明してきました。ここからは妊娠線を予防する3つの方法を紹介していきます。
リラックスして過ごす
妊娠中は副腎皮質ホルモンが増加することも妊娠線ができる理由の一つです。
この副腎皮質ホルモンの一つである「コルチゾール」は、心身のストレスに反応して分泌されるため「ストレスホルモン」とも言われています。
妊娠中は、つわりなどの身体的なストレスやマタニティブルーのような心理的ストレスを感じやすくなっています。このようなストレスがコルチゾールの分泌を促進します。穏やかでストレスのない妊婦生活は、妊婦やお腹の赤ちゃんの心身の健康だけでなく妊娠線の予防にも繋がります。
妊娠線予防クリームなどで乾燥を防ぐ
乾燥すると皮膚は伸縮性を失います。乾燥した時期になると、唇などの薄い皮膚がパリっと割れてしまうことは、よくあることです。乾燥して伸縮性を無くした肌は、簡単に割れやすくなってしまいます。
肌の伸縮性を保つため、妊娠線予防クリームやボディクリームなどの保湿剤を使い潤いを保ち妊娠線を予防しましょう。
冬の空気の乾燥が気になる時期はもちろんですが、夏場も変わらず保湿が重要です。乾燥の時期でなくても副腎泌ホルモンの影響で、普段より皮膚内部のコラーゲン生成が抑制されています。
空気が乾燥していなくてもしっかりとした保湿で柔軟性を補っておく必要があります。
急激な体重増加を防ぐ
妊娠中の急な体重増加は妊娠線ができる大きな要因のひとつです。つわりが終わった頃や出産予定日目前などは、食欲が高まり急に体重が増加しがちです。
急に皮下脂肪が増えると真皮にかかる負担が大きくなり、断裂しやすくなります。体重管理には十分気を付けましょう。
ただ、必ず「体重が増えると妊娠線ができる」という訳ではありません。
妊娠中は、お腹の赤ちゃんの健康な成育のために適度な体重増加は欠かせません。
無理な食事制限や過剰な運動などのダイエットをしてしまうと、赤ちゃんの発育を妨げてしまう可能性があります。
妊娠線を予防しても、赤ちゃんに悪影響が見られたら本末転倒です。日本産婦人科協会が推進している妊婦の体重増加の目安などを参考に、適切な範囲での緩やかな体重増加を目指しましょう。
肌は基礎代謝により新しく生まれ変わる機能があります。伸びた状態で生まれ変わった皮膚は、伸びた状態に順応していくものです。皮膚が伸びた状態に順応できるように、緩やかに体重を増やしていくことが妊娠線予防にとっては重要と言えるでしょう。
妊娠線予防はクリームがいいの?オイルがいいの?それぞれの違いは?
最近では、妊娠線予防のためのケア商品も販売されています。クリームやオイルなどそれぞれに色々な選択肢があるため「どれを選べば良いの?」と迷う人も少なくないと思います。
妊娠線予防クリームは、それぞれの特色を把握して自分に合ったクリームを選ぶことが大切です。クリーム、オイル、ローションの違いや選ぶポイントを紹介します。
クリームタイプ
クリームタイプは乾燥肌や乾燥する季節のケアにおすすめです。肌に潤いを与える力と、保湿力の両方が強いので、妊娠線予防にはクリームタイプを素材にした物が多い傾向にあります。
ただし、夏場はベタつきやすく使用感に問題を感じることも多いでしょう。
また、オイルやローションと比べると伸びにくく、一度に多くのクリームを塗る必要があるため、比較的コスパが低く感じられます。
オイルタイプ
オイルタイプはオーガニック由来成分のみで作られているものが多いのが特徴です。ですので敏感肌の人にはオイルタイプがオススメです。さらにオイルタイプは、伸びが良いため全身のケアに使いやすいでしょう。
しかし、オイルタイプは肌に潤いを保つ保湿力が高い一方で、肌に水分を送り込む保水力にはやや劣るとされています。そうしたことから、季節に関わらず乾燥肌の人には、物足りないかもしれません。
ローションタイプ
ローションタイプはクリームタイプとオイルタイプの良い所取りをしています。滑らか、伸びやすい、ベタつかないなど、さまざまなタイプのものが数多く販売されています。
ローションタイプは使い勝手の良いものですが、保水力や保湿力はクリームタイプやオイルタイプに劣ります。
そこで、夜はクリームやオイルでしっかりケアし、朝はローションでサラっとケアするなど、併用するのもおすすめです。
妊娠線予防クリームと市販のボディクリームは何が違うの?
妊娠線予防クリームは、一般的なボディクリームと比べると高額だと言えるでしょう。毎日使うものであることを考えると、お値段に悩んでしまいます。「保湿なら、市販のボディクリームでも良いのでは?」と考える妊婦さんもいるでしょう。
もちろん、市販のボディクリームではボディクリームではダメだという訳ではありません。保湿力の高いものを選んだり小まめにケアしたりすることで、十分に妊娠線予防になるでしょう。
妊娠線予防クリームと市販のボディクリームの違いは以下の3つです。
- 浸透力
- 肌へのやさしさ
- 無香料(微香料のものもあり)
妊娠線の予防には、真皮の保水・保湿が重要です。
妊娠線予防クリームの多くには、保水成分や保湿成分の強い浸透力ものが使用されています。
また、普段より肌が敏感になりやすい妊婦さんに向けに作られている妊娠線予防クリームは、防腐剤不使用など肌への優しさを求めた製品が多くなっています。
においに敏感な妊婦さんに合わせた無香料(微香料)の製品が多いのも、市販のボディクリームとの違いと言えます。
以上の違いを理解した上で、妊娠線ケアに使うアイテムを選ぶと良いでしょう。
予防していたのに!妊娠線ができてしまったら
妊娠線ができたからといって、妊婦さんやお腹の赤ちゃんの健康に問題がある訳ではありません。ただし、急激な体重増加により妊娠線ができた場合は、食生活などに注意する必要があります。妊娠線ができると、薄くなって見えにくくなることはあるかもしれませんが、自然に治ることはありません。
どうしても気になる場合、美容整形の施術で妊娠線を消すことができます。海外では割とポピュラーな施術として、出産後のママの人気を集めているようです。どうしても妊娠線が気になる方は、出産を終えて自分自身の体調も落ち着いた頃に美容整形クリニックなどを訪ねてみても良いかもしれませんね。
まとめ
ここでは、妊娠線ができる理由や、できやすい場所と時期、そして予防方法についても紹介してきました。妊娠線は、赤ちゃんを育んだ証として恥ずべきものではありません。けれど、ママになっても綺麗な肌やプロポーションを維持したいと思うことも決して悪いことではありません。
お腹の赤ちゃんと妊婦さんの体調を第一に考えて、できる範囲で妊娠線ケアを心掛けてみることをオススメします。