トリプルX症候群(トリソミーX、47xxx)とは?特徴と症状を解説


染色体は全部で23対あり、1対につき2本あるのが正常な形となりますが、この1本だったり3本だったりすると染色体異常ということになります。
その中でも性染色体の本数が多く、「XXX」の状態となっていることをトリプルX症候群と呼びます

ここでは、トリプルX症候群(トリソミーX、47xxx)の特徴と症状および症例について見ていきましょう。

トリプルX症候群(トリソミーX、47xxx)とは何か?

トリプルX症候群 トリソミーX 47xxx

トリプルX症候群(あるいはトリソミーX、47xxx)とは、女児がX染色体を3本持って生まれる性染色体異常です。

通常、女性は「XX」の染色体を持っていますが、何らかの原因によって「XXX」、つまり3本持っている状態を表します。
トリソミーとは、染色体が1本余分に存在し、3本になって状態のことを指します。

トリプルX症候群は、女児がX染色体を3本もって生まれる、よくみられる性染色体異常です。

引用:トリプルX症候群(Xトリソミー、XXX)|MSD Manual

トリソミー症候群の一種

トリプルX症候群はトリソミー症候群の一種です。トリソミー症候群とは、通常23対46本ある染色体のいずれかが一本多く、47本ある状態を表します。

トリソミー症候群にはトリプルX症候群のほかに以下のような症例が挙げられます。

  • 常染色体トリソミー
  • 性染色体トリソミー

トリプルX症候群は性染色体トリソミーの一種です。

女性特有の染色体異常

トリプルX症候群は女性特有の染色体異常です。これは、女性が「XX」の染色体を持つことが原因となっています。
男性は「XY」の染色体であるため、トリプルX症候群は発生しません。

トリプルX症候群の特徴、症状

トリプルX症候群 トリソミーX 47xxx

トリプルX症候群では見た目の特徴は一般的な女性と比べて大きな差はありません。
知的障害はありませんが、細かい身体的な違いが生じる場合があります。

トリプルX症候群の特徴や症状として、以下が挙げられます。

  • 成長が早い
  • 脚が長い
  • 小指が曲がっている
  • 軽度の知的障害(聴覚処理障害、言語発達障害)

健康面や成長面で大きな懸念がある場合もあれば、特徴をほとんど自覚しないという人もいるなど、症状には個人差があります。

身体的特徴

トリプルX症候群の身体的特徴としては、成長が早い、足が長い、小指が曲がっているなどの特徴があります。また、一般的な女性よりも平均身長が高いです。

これらの症状には個人差があり、全ての人がこれらの症状に該当するわけではありません。
トリプルX症候群の女性は通常と同様に、問題なく妊娠や出産ができます。

行動的特徴

トリプルX症候群の行動的特徴として、軽度の知的障害(聴覚処理障害、言語発達障害)が認められる場合があります。

また、学習障害や言語能力、運動機能の発達に障害があるというケースもあります。

トリプルX症候群の発症率

トリプルX症候群の発症率は、約1000例あたりに1例の頻度で発生するとされています。

トリプルX症候群の原因となる余分なX染色体は母親から引き継がれますが、母親の年齢が高いほどこの症例が発生する可能性が高くなります。

トリプルX症候群では通常、余分なX染色体は母親から受け継がれます。妊婦の年齢が高くなるほど、胎児にこの症候群が発生する可能性が高くなります。女児の出生1000例当たり約1例の頻度で3本目のX染色体が認められます。

引用:トリプルX症候群(Xトリソミー、XXX)|MSD Manual

トリプルX症候群の診断

生まれてくる子供がトリプルX症候群であるかどうかを診断するためには、NIPTなどの出生前診断で判別する方法があります。
NIPT(新型出生前診断)とは、血液検査によって胎児(赤ちゃん)の遺伝子情報を判別する検査です。

NIPTでは胎児の遺伝子情報に異常がある場合、陽性判定となります。

トリプルX症候群の治療

トリプルX症候群では治療が必要な身体的な症状はありません。言語の発達に障害がある場合は、言語教育者や専門家からの支援が必要になることがあります。

身体の成長や感情に障害が見られる場合でも、様々な経験をさせてあげることで感情の成長を促せます。

トリプルX症候群以外の染色体異常

トリプルX症候群 トリソミーX 47xxx

トリプルX症候群のほかに、通常とは違う染色体の状態になることで様々な症状があります。

通常、ヒトの体細胞には46本の染色体があり、そのうち22対(44本)が常染色体、1対(2本)が性染色体と呼ばれます。
このうち、常染色体に関する異常は「常染色体トリソミー」、性染色体に関する異常は「性染色体トリソミー」と呼ばれます。

トリプルX症候群は性染色体が「XXX」となる症状でしたが、この他にも様々な症状が確認されています。

性染色体トリソミー

性染色体に関する異常のことを性染色体トリソミーと呼ばれます。

通常、性染色体は男性の場合「XY」、女性の場合「XX」となりますが、何らかの異常によって染色体が3本の状態になります。
これら染色体の組み合わせによって、様々な症状が引き起こされるのです。

クラインフェルター症候群(47XXY)

クラインフェルター症候群(47XXY)とは、男性の性染色体でX染色体が1本多い異常です。症状は軽度ですが、精巣の発達障害や不妊症となる場合があります。

思春期以降は体格が一般的な男性よりも華奢で女性らしくなることが多いです。
また、糖尿病や甲状腺機能低下症などの症状が発生するケースがあります。

XYY症候群(47XYY)

XYY症候群(47XYY)とは、男性の性染色体でY染色体が1本多い異常です。

通常の男性よりも背が高く、男らしい体つきになる傾向です。稀に知的発達が認められる場合があります。

ターナー症候群(XO)モノソミー

ターナー症候群(XO)モノソミーとは、性染色体が1つ欠けている異常で、女性特有の症状です。

ターナー症候群の特徴としては、一般的な女性よりも身長が低くなること、思春期以降の月経など二次性徴が現れないといった症状が挙げられます。

常染色体トリソミー

常染色体トリソミーの例としては、21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトウ症候群)が代表例です。

21トリソミー(ダウン症)では21番目の染色体が1本多い異常であり、心身の発達などに症状が見られる場合があります。

トリプルX症候群の症状

トリプルX症候群 トリソミーX 47xxx

トリプルX症候群は女性のみに発祥する性染色体異常で、トリソミーXあるいは47xxxと呼ばれることがあります。

身体的症状は少ないですが、稀に軽度の知的障害が確認されます。トリプルX症候群の女性は通常通り妊娠、出産が可能です。

妊娠中の子供に染色体異常があるかどうか確認するためには、NIPT(新型出生前診断)というサービスがおすすめです。

  • トリプルX症候群は女性にのみ発生する
  • 通常「XX」の性染色体が「XXX」の状態
  • 身体的症状は少なく、稀に軽度の知的障害(言語障害)が認められる場合がある
  • トリプルX症候群は1000例に1人

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