【妊婦×めまい】多くの妊婦が悩むめまいについて

妊娠中はつわりやホルモンバランスの変化、ストレス、鉄欠乏、低血圧などによって、めまいを起こしやすいことがわかっています。
めまいに伴って、立ちくらみや動悸、吐き気、嘔吐などの症状が起きる場合もあります。
めまいだからと様子をみていると、母体に危険が及んだり、胎児に影響が出たりするような病気も隠れていることがあるので要注意です。
今回は、めまいに伴う症状や原因についてわかりやすくまとめます。

妊娠中に注意したいめまいの症状

妊娠中は、めまいを自覚する方が多く、原因によってめまいに伴う症状はさまざまです。
以下に、めまいに伴う症状として考えられるものをまとめます。

動悸

妊娠するとホルモンバランスが変化し、妊娠初期には妊娠の維持のためにプロゲステロンとよばれる女性ホルモンが多く分泌されます。
プロゲステロンは、めまい、動悸、むくみ、眠気、吐き気、便秘、いらいらなどさまざまな症状を引き起こします。
また、妊娠中は鉄分が足りないことで貧血になる鉄欠乏性貧血がよく起こります。
鉄欠乏性貧血では、めまい、動悸、息切れ、全身倦怠感を自覚する場合があります。
めまいに伴って、動悸、腹痛、膣からの出血がある場合には出血量が多いことによる貧血を起こしている可能性があるので要注意です。

吐き気

詳細なメカニズムは今でもわかっていませんが、特に妊娠初期に、つわりの症状に悩まされる妊婦は多いものです。
つわりの症状として、吐き気、嘔吐、めまいなどがあります。
低血圧によるめまいでも、吐き気を伴うことがあります。

嘔吐

つわりの症状としては、吐き気、嘔吐、めまいなどがありますが、食べることも飲むこともあまりできずに頻繫に吐いていると脱水症になる場合があります。
脱水になると体の中の水分が不足してしまう為、より一層めまいや立ちくらみを起こしやすくなります。
他にも低血圧や妊娠高血圧症候群では、めまいだけでなく嘔吐を起こすことがあります。

立ちくらみ

立ちくらみは貧血の症状としてよくあるものと思っている方も多いです。
しかし、貧血で立ちくらみが出る時には体の中の血液量がとても減っている場合です。
妊娠中によく起きる鉄欠乏性貧血では、立ちくらみより動悸や息切れ、倦怠感などの症状を認めます。
妊娠中にめまいや立ちくらみを自覚する時には、起立性低血圧を考えます。
寝ている状態から急に起き上がったり、座っている状態から急に立ち上がったりすると、くらっとして意識が遠くなりそうな感覚がある、というものが起立性低血圧に伴う立ちくらみの症状です。

視力の変化

めまいや頭痛、吐き気だけでなく、目がちかちかする、目がかすむ、などの症状があるときには、妊娠高血圧症候群の可能性があります。
妊娠高血圧症候群は、母体の血圧が高かったり、妊娠中の体重増加が多かったり、妊婦が高齢である時に起こりやすいといわれています。
あまりに血圧が高い状態が続くと、母児共に危険なので妊娠週数に関係なく分娩となることがあります。

妊娠中にめまいはお腹の赤ちゃんに影響ある?ない?

めまいの原因によっては、胎児に影響が出る場合があります。
例えば、めまいの原因が鉄欠乏性貧血の場合には、胎児に十分な酸素や栄養を運ぶことができていないかもしれません。
先進国の妊婦の約18%が貧血といわれていますが、日本は30-40%と多いです。
妊娠初期から中期に貧血だと、早産や低出生体重児が生まれるリスクが1.2倍に上昇するという報告があるので、鉄欠乏性貧血は見逃さないようにすべき原因のひとつです。

また、めまいの原因が妊娠高血圧症候群である場合には、重症度によっては妊娠週数に関係なく分娩になる可能性があります。
起立性低血圧やつわり、自律神経の乱れなどによるめまいは、直接胎児に悪影響が起きるとは考えにくいですが、ふらつきなどを伴う場合に転倒したりすると胎児への影響が出る可能性があるので注意が必要です。

妊娠中に起こるめまいの原因

妊娠中に起こるめまいの原因として主なものを以下にまとめます。

つわり

つわりのメカニズムは未だにはっきりしていないものの、妊娠によるホルモンバランスの変化が原因のひとつではないかと考えられています。
つわりの症状は人によってさまざまですが、何も感じない人もいれば、頻繁に嘔吐を繰り返し脱水症になってしまう人もいます。
脱水症になると、めまいだけでなく、ふらつき、立ちくらみ、動悸などを自覚することがあります。
脱水症を放置していると、腎機能が低下したり、胎児への血流が保たれなくなったりするので危険です。

貧血

妊娠中は胎児の成長のために通常より多くの鉄分を必要とするため、鉄欠乏性貧血になりやすいといわれています。
鉄欠乏性貧血では、体の中に十分な鉄分がないため、赤血球の産生が低下します。
鉄欠乏性貧血になると、胎児に十分な酸素や栄養が届かなくなります。
鉄欠乏性貧血による症状には、めまい、動悸、息切れ、倦怠感などがあります。

自律神経の乱れ

自律神経には、交感神経と副交感神経があります。
人間の臓器は自律神経によってコントロールされており、自律神経のバランスが乱れると体の不調が起きます。
自律神経はホルモンバランスとも密接に関連していることがわかっています。
妊娠中は、ホルモンバランスの変化も起きやすく、妊娠や出産、育児への不安からストレスも感じやすいため自律神経が乱れやすいです。
自律神経のバランスが崩れると、めまいや頭痛、吐き気、肩こり、下痢、便秘などさまざまな症状が起きます。

三半規管の不調

耳の中には、体の平衡感覚を保つ三半規管とよばれるものがあります。
妊娠中は、ホルモンバランスの変化やストレス、自律神経のバランスの乱れなどによって三半規管がうまく機能しないことがあり、結果としてめまいや吐き気という症状が起きます。

低血圧

妊娠中は、座っている所から急に立ち上がったり、寝ている所から急に起き上がったりするとめまいを起こしやすいといわれています。
立ちくらみを伴うことが多く、意識を失ってしまう場合もあります。
通常であれば、体は立ち上がったり、起き上がったりするときには血圧を上げて、頭に血流が増すように調整します。
しかし、血圧をうまくコントロールできないと脳の血流不足、つまり脳が酸欠の状態になり立ちくらみや意識障害が起きるのです。

また妊娠後期には、仰臥位低血圧症候群によって低血圧になりやすいです。
仰臥位低血圧症候群では、大きくなった子宮によって下大静脈が圧迫され、心臓へ戻る血液量が減るので低血圧になります。
低血圧に伴い、めまい、吐き気、冷汗、顔面蒼白などの症状が出ます。
仰向けではなく左向きに寝ると症状が改善します。

風邪

妊娠中は、免疫力が低下しているので風邪やインフルエンザなどにかかりやすいといわれています。
風邪というと発熱や咳、鼻水の症状が思い浮かぶかもしれませんが、めまいやふらつきが起きることもあります。

妊娠中のめまいを起こさないために

妊娠中に起きやすいめまいの原因に対する対処法をいくつか挙げてみます。

鉄分の多く含まれている食事をとるようにする

妊娠中は、胎児の成長のために鉄分が通常より多く必要なため鉄欠乏性貧血を起こしやすいことがわかっています。
鉄欠乏性貧血では、めまいや動悸、息切れなどの症状が起きますが、最終的には採血で診断します。
ひとことで鉄分といっても、非ヘム鉄とヘム鉄があり、ヘム鉄の方が吸収率が高いです。
非ヘム鉄は緑黄色野菜などに含まれ、ヘム鉄は卵やウナギ、レバー、肉などに多く含まれます。
ただし、妊婦の場合にはウナギやレバーを大量摂取すると、ビタミンAも多く含まれているので胎児の形態異常を引き起こすことがあります。
1日にとる目安としては、うなぎでは約50g、鶏や豚のレバーでは約4gの量にしましょう。
妊婦用に鉄分が含まれているサプリメントも薬局やドラッグストアで購入できますが、まずは食事から鉄分を摂取するようにした方がよいでしょう。

またサプリメントを使用する際は鉄分が過剰になってもよくないので医師に必ず相談するようにしてください。

ゆっくり立ち上がるようにする

妊娠中は血圧が下がりやすいものと考え、ゆっくり行動するようにしましょう。
急に立ち上がったり、起き上がったりせず、ゆっくりと姿勢を正すようにしてみてください。
低血圧ではめまいだけでなく、立ちくらみやふらつきなどが起きることが多いので転倒するリスクがあります。
転倒してお腹をぶつけたりすると胎児に影響が出ることもあるので要注意です。

妊婦健診はきちんと受ける

妊婦健診では、毎回血圧や体重の測定、尿検査があり、必要に応じて血液検査が行われます。
きちんと健診を受けていれば、低血圧や鉄欠乏性貧血の有無がわかりますし、体重の増加量が適正かどうかも確認できます。
体重の増加量が多すぎると妊娠高血圧症候群を発症するリスクが上がります。
医師や看護師、助産師などに、不安なことや体の不調があれば、我慢せずに聞くようにしてみましょう。

ストレスを溜めないようにする

ストレスは自律神経のバランスを乱すので、めまいやふらつき、吐き気、頭痛、下痢、便秘などさまざまな症状を起こします。
適度な運動はストレスを軽減することがわかっています。
妊娠中でも医師から止められていなければ運動をするとよいでしょう。
マタニティヨガ、ウォ―キングなどを試してみるとよいかもしれません。

めまいが長く続くようであれば医療機関に相談しましょう

妊娠中は、めまいを起こしやすいとはいわれていますが長く続くようであったり、日常生活に支障が出るくらいの症状があったり、めまい以外の症状で困っている場合には早めに医療機関に相談するようにしましょう。
妊婦健診で定期的に通っている医療機関でもよいですし、内科や神経内科で診てもらうこともできます。
必要であれば、産婦人科から専門である神経内科や耳鼻科などを紹介される可能性もあります。
めまいが続くと妊婦さんもつらいですし、胎児に影響が出ることもあるので我慢をしないようにしましょう。

参考文献
http://www.med.u-toyama.ac.jp/sanfu/shusanki/koketu.html
http://www1.ehime.med.or.jp/jibika/htm/hnavi/hnavi_001.htm
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/22-女性の健康上の問題/妊娠中の症状/妊娠前半にみられる吐き気と嘔吐
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/251307/
http://www.jaam.jp/html/dictionary/dictionary/word/0503.htm
https://www.min-iren.gr.jp/?p=6776
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/rounensei/memai.html

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当院では、ご希望される妊婦様、ご家族様がNIPT検査内容を理解して受けられる環境をご提供します。
新型出生前診断・NIPTは、お母さまの血液から胎児の3種類の染色体異常を調べることができる、スクリーニング検査です。

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