妊娠検査薬はいつから検査できる?陰性が陽性に変わる可能性は?

コラム

病院に行かなくても自宅で妊娠を確かめられる妊娠検査薬。気軽にできる反面、あいまいな判定に悩まされた方もいるのではないでしょうか。正しく行えば9割以上の精度といわれている妊娠検査薬ですが、検査時期などによっては正確な判定ができないことがあります。ここでは正確な判定のためのポイントをご説明します。

妊娠検査薬はいつから検査できるの?

妊娠検査薬の使用は、生理予定日を一週間過ぎたころがよいとされています。

その理由は、妊娠を判定するための hCG(ヒト絨毛性性線刺激ホルモン)の分泌にあります。

HGCとは、妊娠中にしか分泌されないホルモンで、別名妊娠ホルモンとも呼ばれるものです。このホルモンは尿にも含まれるため、妊娠検査薬では尿を利用して妊娠の有無を測ります。

hGCの分泌は受精卵が子宮内膜に着床し、胎盤を作り出す段階からはじまります。受精卵の着床が母体にとって妊娠の始まりであるということです。

受精卵が子宮内膜に着床するまでは、個人差がありますが受精から6~10日程度かかります。最終月経の開始日を0週0日とするとこの時期は妊娠3週頃となり、早い方だと妊娠初期症状を感じ始めるころです。しかし、まだhGCの分泌が始まったばかりで妊娠検査薬では十分な量を検出できません。妊娠かもしれないと検査をしても陰性の判定が出たり、極薄い陽性のラインが出るようなあいまいな結果になるのはこの時期の検査が多いので注意が必要です。

hGCの分泌のピークは妊娠8週~12週で、その後妊娠40週まで分泌が続きます。着床後特に盛んに分泌されるようになるのは妊娠5週に入ったころ、つまり生理予定日を一週間過ぎたころとなります。この時期に入れば十分なhGCの分泌がされているので、はっきりと判定が出るようになうという訳です。

妊娠5週以前に検査をする場合、着床後であればhGCは少量ですが分泌が始まっているため、検査キッドが反応する可能性もあります。しかし、hGC量が少ないために陽性ラインがしっかりと出ない、時間がたってからラインが出現するなど、本来の正しい判定ができないことが少なくありません。また、月経周期の乱れから着床の時期にずれが生じていることも考えられるため、妊娠5週以降の判定を正式な妊娠検査薬の結果だと捉えることが大切です。

妊娠検査薬で陽性反応が出た場合の病院へ行くタイミング

妊娠検査薬で陽性が出ただけでは妊娠の確定診断には至りません。産婦人科で診察を行い、超音波検査で子宮内に赤ちゃんの心拍を確認できたときにはじめて妊娠の確定診断がされます。妊娠の陽性反応が出たら、生理予定日を2週間ほど過ぎた妊娠6週を目安に受診しましょう。あまり受診の時期が早いと赤ちゃんが小さすぎて確定ができない場合があります。しかし、初診が遅いと子宮外妊娠の発見が遅くなるという心配もあります。初診のタイミングが後ろ倒しになりすぎないように気を付けましょう。

産婦人科の受診は予約制をとっている場合も多く、特に人気のある産院ではかなり先まで予約が埋まっている場合があります。受診したい6週直前に予約をしても、希望の日にちが抑えられず受診が数週間後ろにずれ込む場合があります。妊娠検査薬で陽性が出たら、どの病院に受診するかを決めて、まずは予約の電話を入れるのがよいでしょう。電話の際、妊娠検査薬で陽性が出たという旨を伝えるとスムーズに予約ができるはずです。

総合病院の初診等で予約制を取っていない病院もあります。その際は時間に十分な余裕を持っていきましょう。

自然な妊娠に関する診察は基本自費診療になります。投薬や治療が必要な場合のみ医療保険が適応されるので注意してください。妊娠の確定がされると、医師から母子手帳の取得について話があるはずです。母子手帳取得の手続きの際、妊婦検診の助成制度についても説明があります。お住いの市町村によって制度は若干違いますが、定期健診の自費負担を軽減してくれる制度ですので、しっかり利用して定期検診を受け、赤ちゃんの成長を見守りましょう。

妊娠検査薬で陽性が出た後、受診前に生理が来ることがあります。これは化学流産といって、受精卵がいったん着床したのちに流産してしまう現象です。妊娠5~6週に起こることが多く、妊娠検査薬で陽性が出た後に生理が来ることで気が付きます。化学流産の原因は受精卵の染色体異常であることがほとんどですが、妊娠検査で陽性が出た後なので精神的なダメージを受けてしまう方も少なくありません。医学的には流産の数にはカウントされず、次の妊娠にも問題はありませんので、あまり気落ちせずゆったりと過ごしてください。

妊娠検査薬で陰性反応が出ても、妊娠しているケースもある

妊娠5週頃に妊娠検査薬で検査をしたものの、陽性反応がでない場合があります。

考えられる要因として、月経周期のずれがあります。妊娠周期は28日周期が基本とされていますが、個人差があるものです。検査前から生理不順であった場合には特に周期の把握が難しく、基礎体温を測っていても次の生理の予測が困難な場合もあります。

次の月経予定を勘違いしている場合もあります。前回いつ生理が始まったかがわからないと、妊娠週数の把握はできません。基礎体温の測定で体の変化を追うことが望ましいですが、難しい場合は女性向けアプリなどを使用し、生理周期の把握をおすすめします。

妊娠検査の方法が正しくない場合もあります。検査に必要な尿の量が不足している、しっかり尿がかかっていないといった使用上のミスは珍しいことではありません。

このような状況に心当たりがあり、妊娠の可能性がある場合は、安易に陰性だからと飲酒などをするのは時期早々です。特に生理不順の場合は、最終生理開始日の妊娠0週0日がいつであるかがはっきりわかりません。妊娠の可能性があり生理が遅れているのであれば、妊娠の初期症状があまりなくても1~2週間ほど置いて再度検査をしてみましょう。妊娠している場合、hGCの値は数日のうちに高くなりますので、改めての検査で陽性反応がでる可能性は十分あります。妊娠初期は赤ちゃんの中枢神経などが発達する大切な時期です。陰性だからと飲酒や激しい運動をせず、様子をみることが大切です。

自宅での再検査でも結果が陰性で生理も来ない場合は、医師の診察が必要かもしれません。妊娠の可能性がある場合、稽留(けいりゅう)流産や胞状奇胎妊娠などの可能性があります。

稽留流産とは、化学流産や完全流産のように月経が開始されず胎児が体内に残っている状態です。母体には腹痛や出血といった自覚症状がないため、診察で初めてわかることもあります。

hGCが過剰に分泌される胞状奇胎妊娠の場合、hGCの値が高すぎて正確な判定ができないことがあります。胞状奇形は妊娠の500回に1回で、40代以降の妊娠で若干発症率が上がるといわれるものです。

生理の遅れや妊娠に伴う体の変化は、自分で判断するのは大変危険ですので、おかしいなと感じたら医師の診察を受けることが大切です。

まとめ

妊娠検査薬の判定結果が陽性であれば、妊娠時にしか分泌されないhGCホルモンが検出されたということは間違いがないでしょう。しかし、月経周期や使用方法などの要因により正しい結果が得られないこともあります。妊娠検査薬はあくまでも妊娠確定の補助として利用するに留め、安易な自己判断はせず妊娠が疑わしい場合は病院に相談することをおすすめします。