妊娠後、赤ちゃんの心拍確認ができるのはいつ?確認後に気をつけたいこと【医師監修】
妊娠がわかったら胎児が順調に発育しているか、定期的に経過を観察することが大切です。胎児の健康状態を知るうえでは、心拍の確認が欠かせません。ここでは、妊娠中に胎児の心拍を確認できる時期や、確認後の流産のリスクなどをご紹介していきます。
妊娠初期は、まだ妊娠が安定していない時期で、胎児の染色体異常などが原因で流産が起こりやすいといわれます。胎児の健康状態を知るために、出生前診断の受検をご検討ください。
妊娠後、胎児の心拍を確認できるのはいつ?
胎児の心拍を確認できるようになるのは、妊娠5~6週頃です。ここでは、妊娠が発覚してから心拍を確認できる時期や、胎児の心拍を確認する方法をご紹介します。
心拍を確認できる時期
妊娠後に胎児の心拍を確認できるようになるのは、妊娠週数でいうと5~6週とされています。月数でいうと妊娠2カ月にあたり、妊娠初期と呼ばれる時期です。妊娠発覚後に産婦人科を受診し、胎嚢(たいのう)・胎芽(たいが)・胎児の心拍が確認されると、正常妊娠と診断されます。その後は妊婦健診に通い、妊娠が正常な過程をたどっているか定期的に確認していきます。
胎児の心拍の確認方法
妊婦健診では、主に超音波検査(エコー検査)で心拍を確認していきます。超音波検査は、妊婦さんのおなかや腟内に超音波を当てることで、子宮内にいる胎児の発育の経過を観察する検査方法です。検査を受けると、心臓の動きや血液の流れをはじめとした赤ちゃんの生理機能や、赤ちゃんの形や体重などがわかります。心拍を確認するときは、モニターに映る心臓の動きを目視でチェックします。
超音波検査のほかにも、「ドップラー聴診器」と呼ばれる医療機器を使って耳で心音を聞く方法や、出産予定日近くに行うノンストレステスト(NST)などの方法があります。NSTは妊娠後期に赤ちゃんの健康状態を確認するために実施されるのが特徴です。妊婦さんのおなかの張りや、胎児の胎動と心拍数の関係を見ていきます。
妊娠5~6週で胎児の心拍を確認できないとどうなる?
妊娠5~6週に達しても胎児の心拍を確認できないケースは少なからずあります。ここでは、よくあるケースとその理由、胎児の心拍を確認できないときの流れなどをご紹介します。
胎児の心拍を確認できないケース
妊娠5~6週に達していても、胎児の心拍を確認できないケースがあります。たとえば、妊娠週数に誤差があるケースです。排卵が予定よりも遅く、妊娠が成立した日の認識がずれていると、予想よりも妊娠週数が進んでいないことがあります。
また、胎児が順調に成長できていないケースも考えられるでしょう。まだ胎児の心臓が完成する途中である場合、心拍をはっきりと確認しにくいことがあります。超音波を当てる方向や胎児の位置が影響し、心拍の確認が難しいケースも珍しくありません。
胎児の心拍を確認できないときの流れ
もしも妊娠5~6週で胎児の心拍を確認できなかったら、その後は主治医の指示に従い、時間を空けてから再度検査を受ける流れとなります。妊娠7週以降であることが確実で、かつ心拍が確認できない場合には、流産と判断されます。胎嚢が見られると少なくとも妊娠4~5週に達しているとわかるため、その後約3週間の経過を観察するのが一般的です。
胎児の心拍確認後に気をつけたいこと
もし胎児の心拍が確認できたとしても、妊娠初期は気をつけておきたいことがあります。最後に、流産のリスクや出血の症状が見られた場合の対応についてお伝えします。
流産の可能性
たとえ妊娠5~6週で胎児の心拍を確認できたとしても、その後の妊婦健診で心拍が確認できなくなるケースがあります。流産は、妊娠した女性の約4割に起こるといわれ、さらにはその8割以上が妊娠12週未満の早い段階で起こるといわれます。
なかには稽留流産(けいりゅうりゅうざん)のように、妊婦さんに出血や腹痛などの自覚症状がないにもかかわらず、胎児の心拍が停止する例も少なからずあります。胎児の心拍が確認できた後も、流産のリスクがあることについて理解しておきましょう。
なお、妊娠初期に起こる流産の多くは、胎児の染色体異常が原因だと考えられています。母親の仕事をはじめとした、日常生活での行動が原因で流産に至るケースはほとんどありません。妊婦さんは日々の過ごし方について過度に不安を抱えないよう心がけましょう。一般的に、妊娠12週以降になると流産のリスクが少なく安定してくる傾向にあります。
出血が見られたときの対応
流産が起こると、妊婦さんの体に出血や腹痛などの症状が見られる場合があります。ただし、出血は正常妊娠でも見られる症状で、少量であれば問題がないと考えられています。出血量が多かったり、下腹部に月経中よりも強い痛みが感じられたりしたら、安静にして医療機関を受診しましょう。妊娠初期に気になる症状があるときは、早めに医師にご相談ください。
妊娠中に胎児の健康状態を調べるには?
胎児の心拍確認ができるようになるのは、妊娠5~6週頃です。主に妊婦健診で実施する超音波検査で、心拍の確認が行われます。このとき、正確な妊娠週数を把握できていなかったり、胎児が十分に成長できていなかったりすると、検査を行っても心拍を確認できない場合があります。一方で、確実に妊娠7週を過ぎているにもかかわらず胎児の心拍が確認できないと、流産の可能性が考えられるでしょう。
妊娠初期に起こる流産は、染色体異常が原因であるケースが多いといわれます。染色体異常とは、染色体の数や構造に異常が見られることです。胎児が染色体異常を持つ可能性については、出生前診断の検査を受けると確認できます。なかでも検査方法の一種である「NIPT(新型出生前診断)」は、早期から受検できるのが特徴です。
NIPTは妊娠10週から受検できます。胎児の心拍を確認した後も健康状態が気になる方や、35歳以上の高齢出産で染色体異常のリスクが心配な方は、受検をご検討ください。平石クリニックではNIPTの検査を受けていただけます。妊婦さんへの採血のみで、21トリソミー・18トリソミー・13トリソミーなどの代表的な染色体異常の可能性を調べられます。
NIPT平石クリニックでは、新型出生前診断を希望する方へ幅広くNIPTを提供するため、妊婦さんの年齢制限がございません。結果は最短6日で早めに通知いたします。当院でNIPTを受検し、検査結果が陽性だった場合、確定検査の羊水検査や絨毛検査の費用は医院が全額負担いたします。出生前診断にかかる費用の負担が気になるときもご安心ください。
NIPTを受検する前後に疑問や不安があるときは、認定遺伝カウンセラーによる無料の電話相談をご利用いただけます。専門家が受検者さまからのご相談に対応しますので、お気軽にご予約ください。胎児の心拍が確認できた後も、安定するまでは流産のリスクがあります。染色体異常の可能性を調べるなら、早めに受検できるNIPTをご検討ください。
監修者
自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科 桑田 知之

専門・実績
周産期医学、超音波診断学。とくに出生前診断、胎児形態異常。自動胎動カウントによる胎児well-beingの評価。経膣超音波等の自動追従型超音波ボディマーカーの開発。超音波装置の安全に関する研究。
所属学会
日本産科婦人科学会(専門医)、日本超音波医学会(専門医・指導医・代議員)、日本周産期新生児学会(専門医・指導医・評議員)、日本周産期メンタルヘルス学会(評議員)、日本分娩監視研究会(幹事)他
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運営者情報
NIPT平石クリニック
院長紹介
平石 貴久(ヒライシ タカヒサ)
専門は内科、消化器科、スポーツ医学。
いつでも頼りになる医療を、さらに日々進化する医療を常に身近に、皆様にとって、なんでも相談出来るようなクリニックを目指しております。
高齢出産が増えている傾向にある日本で、流産のリスクを抑えた検査が出来るNIPT(新型出生前診断)の重要性を高く考え、広く検査が知れ渡りみなさまに利用していただける事を目指しております。