妊娠週数の正しい数え方|妊娠週数をズレて数えると危険?
妊娠週の数え方について、どのように数えるべきかわからない人も多いのではないでしょうか。
この記事では「妊娠週の正しい数え方」について解説します。
結論、妊娠週を理解することが、安全な妊娠に繋がると言えます。また、誤った数え方をしないようにも注意しましょう。
他にも「妊娠期間の区分」や「出産時期の区分」についても解説します。ぜひ今回の記事を参考に、正しい妊娠週の数え方を理解してください。
また「妊娠の体重の目安」に関しては、こちらで解説していますのでぜひ確認してみてくださいね。
妊娠週数の数え方
妊娠週数は4週で1ヶ月とし、最終月経の初日を0日として数え始めるのが一般的です。
最終月経の初日を妊娠0日とし、実質的には妊娠していないときから数え始めます。妊娠週数は「妊娠〇週〇日」と表記され、妊娠期間は10月10日(とつきとおか)であると言われています。
しかし、生理不順であったり最終月経がいつだったのか分からなかったりする人もいるでしょう。
その場合は、専門医師のエコー検査によって、胎児の大きさなどから妊娠週数を推測します。
以下では、一般的な正しい妊娠週数の考え方について解説します。
妊娠週数と月数の関係
妊娠期間は10月10日と言われていますが、カレンダー通り10カ月と10日というわけではありません。
妊娠週数は4週で1カ月とするため、実際は9カ月過ぎあたりが妊娠期間となっています。そのため、欧米では妊娠期間を9カ月(9month)と表現しているそうです。
妊娠週数と月数については、以下の表を参考にしてください。
週数 | 月数 |
0週~3週 | 妊娠1ヶ月 |
4週~7週 | 妊娠2ヶ月 |
8週~11週 | 妊娠3ヶ月 |
12週~15週 | 妊娠4ヶ月 |
16週~19週 | 妊娠5ヶ月 |
20週~23週 | 妊娠6ヶ月 |
24週~27週 | 妊娠7ヶ月 |
28週~31週 | 妊娠8ヶ月 |
32週~35週 | 妊娠9ヶ月 |
36週~39週 | 妊娠10ヶ月(臨月) |
検診時、産科では「今○カ月です」と月数ではなく「妊娠〇週」という伝え方をされます。しかし、妊娠経験のない夫や友人たちに週数を伝えても伝わらない場合があるでしょう。
上手く伝わらない場合は「妊娠〇カ月」と伝えると良いです。
妊娠週数から計算できる出産予定日
一般的に最終月経の初日が妊娠0週0日となり、妊娠週数が40週0日(280日)が出産予定日となります。とはいえ、最終月経から280日数えるのは大変です。
生理不順で最終月経が分からない人や、分かっていても計算するのが難しい人は多いでしょう。
妊娠週数から出産予定日を計算する方法はありますが、あくまでも目安となります。
妊婦健診の際、エコー検査を行い、胎児の成長具合や大きさと照らし合わせて、より正確な妊娠週数と出産予定日が決められるのです。
なお、近年では精度の高いエコー検査によって予測できるようになったため、妊婦健診の際に出産予定日が修正される場合もあります。
妊娠期間の区分
妊娠期間は、大きく分けて「初期・中期・後期」と3段階に区分されます。3段階を経て胎児や母体が変化していき、出産への準備を進めるのです。
また、初期・中期・後期でそれぞれ体調や悩みなども変わります。
個人差はありますが、それぞれの妊娠期間にどのようなことがあるのか、また胎児はどのように成長しているのか解説しましょう。
妊娠初期
妊娠初期は、妊娠15週6日(妊娠0カ月~妊娠4カ月)までを指します。
- 妊娠0~1週目→妊娠未確定
- 妊娠2週目→受精した日
- 妊娠4週目→生理予定日(妊娠していれば来ません)
- 妊娠5週目→妊娠検査薬で陽性・器官形成期
- 妊娠6週目→手足や目、耳の原型ができ始める
- 妊娠7週目→赤ちゃんの体は2頭身に
- 妊娠8週目→主な臓器の基本形ができる
- 妊娠9週目→手足の原形ができ始める
- 妊娠10週目→手足が動くようになる
- 妊娠11週目→まぶたや耳たぶ、唇ができ始める
- 妊娠12週目→脳のミッドラインや心臓4室が見える
- 妊娠13週目→小腸が急速に発達する
- 妊娠14週目→「胎盤」が完成する
- 妊娠15週目→器官形成が終わり、外性器の形も完成
妊娠初期はつわりの症状が出始め、妊娠8週~20週目頃をピークに体調が不安定になります。妊娠12週~15週にかけては、少しお腹のふくらみが目立ってくる時期です。
くれぐれも妊娠初期は体調を優先し、無理のないように過ごしましょう。
妊娠中期
妊娠中期は、妊娠16週0日~27週6日(妊娠5ヶ月~7ヶ月)までを指します。
- 妊娠16週目→骨格がエコーに映るようになる
- 妊娠17週目→胎児の全身にうぶ毛が生える
- 妊娠18週目→胎児の動きがエコーで見える
- 妊娠19週目→3頭身になり、皮下脂肪も付き始める
- 妊娠20週目→胎児の運動メニューが豊富になる
- 妊娠21週目→胎児の脳にシワができてくる
- 妊娠22週目→性腺が発達し、ホルモンも分泌する
- 妊娠23週目→髪の毛やまつ毛、眉毛が生えてくる
- 妊娠24週目→羊水の中で遊泳するようになる
- 妊娠25週目→聴覚の発達が完成に近づく
- 妊娠26週目→味覚、嗅覚が発達する
- 妊娠27週目→視覚が発達して明暗がわかる可能性がある
妊娠中期となるとマタニティライフも折り返し地点となり、胎盤が完成して流産の可能性が減るため「安定期」に入ります。つわり症状も少しずつ改善し、体調も落ち着いてくるでしょう。
お腹もまだそれほど大きくないため、外に出るにも適している時期です。
妊娠後期
妊娠後期は、妊娠28週0日~(妊娠8ヶ月~)を指します。
- 妊娠28週目→主な臓器の形や働きがほぼ完成
- 妊娠29週目→排泄物も少しずつ生成される
- 妊娠30週目→頭を下にした姿勢に落ち着く時期
- 妊娠31週目→胎児の体重は直線的に増加する
- 妊娠32週目→羊水の量がピークになる
- 妊娠33週目→眠りの質が発達する
- 妊娠34週目→肺の働きが成熟される
- 妊娠35週目→発育の個人差が大きくなる
- 妊娠36週目→体重2500gが成熟ライン
- 妊娠37週目→正期産。いつ生まれても良い時期
- 妊娠38週目→視力も聴力も新生児レベル
- 妊娠39週目→4頭身となり、ふっくらとした顔つきになる
妊娠後期になると、お腹がどんどん大きくなり、胃などの臓器が圧迫されて「後期つわり」を起こす人も出てきます。
同時にママの体も出産に向けて準備を進めていく時期です。お腹が大きくなると腰痛や骨盤周りに痛みが出てくることもあるため、くれぐれも無理はしないようにしましょう。
妊娠37週を迎えるといつ生まれても大丈夫な時期となります。
出産時期の区分
妊娠時期があるように、出産時期も区分されます。妊娠時期の後期である37週0日~は、出産にも差し掛かる時期です。
出産時期は「正期産・過期産・早産」と、出産時期も個人差があります。
出産時期の区分について、それぞれ解説しましょう。
正期産
正期産は、妊娠37週0日~妊娠41週6日目を指しています。あるクリニックが令和2年に算出した出産データによると、正産期に産まれてくる赤ちゃんは97%と、ほとんどの赤ちゃんが正期産に生まれているとわかりました。
なお、国で決められた「母体保護法」によって、妊娠22週未満の赤ちゃんは発達が不十分(生育限界)なため、生まれてきても救命してもらえません。
早産
早産は妊娠22週0日~妊娠36週6日までの出産を指しています。妊娠中に母体と胎児の命に関わるような合併症が起きたり、思いがけず破水して陣痛が起こって出産してしまうと「早産」となるのです。
母子にとって最善の方法として判断されたり、出産が止められない状態になったりするとやむを得ず早産になる場合があります。
早産の赤ちゃんは、週数が少ないほど発達も不十分です。そのため、出産後は保育器に入り、生きるための治療が必要となります。
過期産
過期産は妊娠42週目〜の出産を指しています。
出産予定日をすぎると、胎盤の機能が少しずつ衰えていきます。そのため、42週以降まで妊娠が続くと、人工的に陣痛を起こす「分娩誘発」が行われる場合が多いです。
妊娠週数の計算方法
妊娠週数を計算するには以下の考え方があります。
- 受精後胎齢と月経後胎齢
- 月経周期
- ネーゲレ概算法
妊娠週数は大まかの目安として見ているため、正確な週数とは言えません。より正確な妊娠週数を知るには月経周期が重要な役割を果たします。
妊娠週数の考え方について、以下で解説します。
受精後胎齢と月経後胎齢
妊娠週数には「受精後胎齢」と「月経後胎齢」から考える計算方法があります。
受精後胎齢とは、受精した日を妊娠0週1日目とし、満日・満週数で表す考え方です。
月経後胎齢とは、最終月経の開始日を妊娠0週1日目とし、満日・満週数で表します。
月経後胎齢から2週引くと受精後胎齢が分かるのです。
受精し着床した日を正確に表すことは難しいため、日本や米国では一般的に月経後胎齢の考え方で計算されています。
月経周期
妊娠何週目を数える際に重要となるのが「月経周期」です。
月経周期には個人差がありますが、28日が一般的な周期と言われており、25日〜38日間であれば正常と判断されます。
月経後胎齢の考え方によれば、最終月経の開始日から28日後を1カ月とし、280日で10カ月と計算します。しかし、月経周期には個人差があることに加え、体調不良やストレスなどで排卵日が遅れたり早まったりすれば、出産予定日に多少のズレが生じる場合もあるでしょう。
ネーゲレ概算法
ネーゲレ概算法は、月経周期が28日の場合の方が簡単に出産予定日を計算できる方法です。
ネーゲレ概算法は以下のように求めます。
- 最終月経があった月ー3(引けない場合は+9)=出産予定月
- 最終月経があった日+7=出産予定日
例えば、最終月経が5月10日だった場合、以下の式になります。
- 5月ー3=2月
- 10日+7=17日
つまり、出産予定月は2月17日ということになります。
出産予定日を間違えやすい例
出産予定日が確実なものではなく、間違えやすいのには以下2つの原因が挙げられます。
- 受精した日を0週0日と数えてしまう
- 月経周期の認識が曖昧
両者とも認識が甘く、曖昧な要素を含んでいるという点が間違えやすい原因といえるでしょう。
なぜ、上記2つの理由が出産予定日を間違える原因となってしまうのか、それぞれ解説します。
受精した日を0週0日と数えてしまう
妊娠予定日を間違えてしまう例としてよくあるのが、受精した日を勘違いしている場合です。妊娠に繋がったと予測される性交日を、受精した日だと認識している場合があります。
性交した日が必ずしも受精した日とは限りません。実際に受精した日がいつであるかの判断は困難とされています。
正しい妊娠週数や出産日を知るためには、日頃から基礎体温を記録しておくことが大切です。
月経周期の認識が曖昧
普段から月経不順になりやすい人など、月経周期の認識が曖昧な場合は出産予定日に誤差が生じやすくなります。
月経は、体調不良やストレスなどで乱れやすくなるもの。女性にとって月経は健康状態を知らせるバロメーターともいえます。
正しい月経周期を知ることは、正確な出産予定日の判断だけでなく、出生前診断を希望する人にとっても重要です。
妊娠を希望する場合は、普段からしっかりと体調を管理して生活してください。
出産予定日がズレる原因
出産予定日ぴったりに生まれる確率は全体の2%と言われており、出産予定日のほとんどがズレます。
出産予定日がズレる原因は、以下の3つです。
- 月経周期による予定日のずれ
- 排卵日・性交日・受精日による予定日のずれ
- 胎児の大きさ・成長具合による予定日のずれ
月経周期は個人差があるため、多くの人は大まかにしか把握していません。把握している周期にズレがあると出産予定日もズレてしまいます。
また、妊娠に繋がった排卵日・性交日・受精日が正確には判断できないのも、ズレが生じる原因です。
頭殿長による推測も正しくはない
出産予定日は妊娠8週~11週の超音波検査の際に、頭殿長(とうでんちょう)を測ります。頭殿長とは、赤ちゃんの頭骨からお尻の中点までの長さのことを指し、長さで妊娠週数を推定できるのです。最終月経日が曖昧な場合も、頭殿長の長さで予定日が推測されます。
しかし、頭殿長も標準目安による推測となるため、正確な予定日は判断できません。そのため結果的にズレが生じてしまうのです。
正しく妊娠週を理解しましょう
これから出産を迎える人は、正しい妊娠週を理解しておきましょう。妊娠週を理解すれば、現在の自分の状態を把握しやすいです。
また、自身だけではなく、パートナーにも正しい数え方を共有しておくと良いでしょう。
時期に合わせた用意や行動で、スムーズな出産を行なってください。