NIPT(新型出生前診断)の検査原理

NIPTはどんな検査?

NIPTは出生前診断のひとつですが、2013年から日本でも実施できるようになった新しい検査方法です。日本に導入された当初は、研究として限られた医療機関でしか実施されていませんでしたが、現在は検査可能な医療機関の数が増えています。出生前診断には、超音波検査、母体血清マーカー検査、コンバインド検査、絨毛検査、羊水検査などが含まれますが、それぞれ検査精度や流産リスク、検査できる時期の制約などの問題がありました。一方で、NIPTは流産リスクのない採血のみで、妊娠10週以降には測定でき、検査の精度も高いので日本だけではなく世界でも注目されています。

NIPTの検査原理

1997年にお母さんの血液中に胎児由来のDNAが存在することが報告されてから、さらに研究が進み、現在では出生前診断としてNIPTの有用性が確立されました。染色体は、細胞の中に存在するといわれていましたが、胎児由来のDNAはcell free DNAと呼ばれ、染色体がそのままお母さんの血液中を循環しています。
次世代シークエンサーと呼ばれる機械で、お母さんの血液中のcell free DNAを集めて評価します。例えば、21トリソミーを持つ胎児のcell free DNAを集めて調べると、21トリソミーを持たない胎児に比べて21番染色体のcell free DNAが少し多くなっています。このようにNIPTでは、わずかな差が出ることを利用して胎児が染色体疾患を持つリスクが高いか低いかを判定します。
今まで胎児が染色体の異常(染色体疾患)を持つかどうか調べるためには、直接胎児の細胞を取るような絨毛検査や羊水検査を行うしかありませんでした。しかし、絨毛検査や羊水検査は流産や早産、死産、出血などのリスクがあり、安易に行える検査ではありません。一方で、NIPTは流産リスクのない採血のみで検査が可能なので、今後も出生前診断のひとつとして検査できる医療機関が増えていくことが予想されます。

NIPTのメリットとデメリットは?

NIPTのメリットは、妊娠初期である妊娠10週以降から測定が可能なこと、他の非確定的検査に比べて検査精度がとても高いこと、流産リスクのない採血のみで検査が可能なことなどが挙げられます。またNIPTは、胎児が実際には染色体疾患を持たないのに検査で持っていると診断してしまう「偽陽性」が少ない検査なので、診断を確定させるための不必要な絨毛検査や羊水検査を減らすことができます。
デメリットとしては、現時点では保険が利かず、検査費用が高いことが挙げられます。医療機関によって違いはあるものの、約15-21万円程度の費用がかかります。
NIPTを受ける時の注意点としては、染色体疾患が検査対象になっているので、心臓や消化器の異常など他の先天性疾患については検査できないことを理解しておく必要があります。他の出生前診断にも共通していえることですが、検査でわかる異常は先天性疾患の中の一部になります。赤ちゃんが生まれてきてからわかる先天性疾患もあることを理解しておいてください。

NIPTの検査対象は?

NIPTで検査できるのは、胎児の染色体の異常の有無いわゆる染色体疾患について調べることができます。他の非確定的検査でも調べることのできる21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーだけでなく、性染色体の異常によって起きるターナー症候群、クラインフェルター症候群などについても検査できます。他にも、染色体の小さな変化である微小欠失なども検査が可能です。医療機関によって、検査対象となる染色体疾患に違いがあるので事前に確認するようにしてください。

NIPTの検査結果の解釈の仕方は?

NIPTの検査結果は、「陰性」または「陽性」で返ってきます。もし、「陰性」の場合には検査対象となっている染色体疾患を赤ちゃんが持っていないことを意味します。NIPTは、陰性的中率の高い検査なので、もし「陰性」と診断されたら結果の信頼性が高いので安心できます。「陽性」の場合には、検査対象となっている染色体疾患を胎児が持っているリスクが高いことを意味します。NIPTの検査精度は高いものの、あくまで非確定的検査なので、診断を確定するためには絨毛検査や羊水検査が必要になります。もしNIPTで「陽性」と診断されたら、診断確定のために絨毛検査や羊水検査を受ける方が多いです。
検査の精度を表す指標には、感度や特異度、陽性的中率、陰性的中率があります。例えば、陽性的中率は、検査結果が「陽性」の時に、本当に胎児が21トリソミー(ダウン症)を持っている確率のことで、NIPTでは受検者全体で95%程度です。陽性的中率は年齢によって大きく異なり、年齢が高くなるほど確率も上がります。陰性的中率は、検査結果が「陰性」だった場合に、実際に胎児が染色体疾患を持っていない確率のことで、NIPTではどの年齢においても99.9%以上です。ただし、100%ではないので、稀ではありますが「陽性」と診断されていたのに実際には胎児が染色体疾患を持っていない場合や「陰性」と診断されていたのに実際には染色体疾患を持っている場合があります。

まとめ

NIPTは、今までの出生前診断の検査方法とは違い、お母さんの血液中に存在する胎児由来のDNAを調べることができます。2013年から日本でも導入され、検査精度が高く、妊娠の早い時期でも検査可能であることが注目されています。NIPTでは、正常な染色体に比べて、異常のある染色体の量が多いか少ないかというわずかな違いを見て検査しています。検査の対象となる染色体疾患は多いですが、医療機関によって異なることがあるので事前に確認するようにしてください。

参考文献
https://www.yokohama-cu.ac.jp/fukuhp/section/depts/genetic/nipt/faq.html

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