妊娠を中断するなら初期のうちにしたいです。

相談

受検者様からのご相談

NIPT(新型出生前検査)の結果、陽性でした。
まだ検討中ですが、もし中絶するなら妊娠初期のうちにと思っています。
羊水検査を受けると妊娠中期になってしまうため、羊水検査を受けない選択をしても大丈夫でしょうか。

※こちらの記事ではご相談テーマに基づいた回答をするため、中絶という表現が頻出します。何卒ご容赦ください。

ご相談をお受けして

1. はじめに

羊水検査(または絨毛検査)を受ける・受けないは妊婦様に選択する権利があります。
どのような選択であれ尊重されるべきものですから、重いテーマですが肩の力を抜いてお読みいただけたらと思います。

2. 妊娠初期に判断することについて

中絶は心にも身体にも大きな負担ですので、妊娠初期の処置を希望される方が一般的です。
少しでも施術や施術後のご負担を軽くするためです。
(初期中絶と中期中絶の違いは後述ご参照)

一方で赤ちゃんのことを考えますと、妊娠初期に判断されるのは避けたほうがよいといえます。
理由は、NIPTの結果が陽性でも、羊水検査では陰性の結果となることもあるからです。
(NIPTにおいて、21トリソミー陽性と出た妊婦様の9.1〜50.2%が偽陽性であった、との報告もあります。※1 ご参照

したがって、中絶を検討されている妊婦様には処置の前に羊水検査が推奨されています。


約49.8%〜90.9%


出典:https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000559098.pdf NIPTコンソーシアム 各種スクリーニング検査の比較 21トリソミーの陽性/陰性的中率 より

これは、NIPTにおいて21トリソミー陽性だった妊婦様の胎児が、実際に21トリソミーであった確率(=陽性的中率)です。
言い換えますと、9.1〜50.2%の妊婦様が、胎児が21トリソミーではないにも関わらずNIPTにて21番染色体において陽性の結果が出ている(=偽陽性)ということを意味します。
※数字に幅がある理由は、母体年齢によって変動するため。また、検査項目によって陽性的中率は変わる。

ご承知の通り、NIPTは胎児自身の検査ではなく、あくまで母親の血液を介した検査だからです。
したがって、NIPTは安全性が高い反面、検査精度には限界があるのです。

3. 羊水検査で陰性とは?

NIPTで陽性、羊水検査で陰性だった場合、相反する結果に戸惑われることでしょう。

では、羊水検査の結果が陰性とは、どういうことでしょうか。
それは、“実際の胎児に該当の染色体異常は無かった”ということです。

「羊水検査(または絨毛検査)」は赤ちゃんの細胞を用いるため、実際の赤ちゃんの情報を知ることができます

したがって、NIPTで陽性→羊水検査で陰性という場合であっても、羊水検査の結果が全てだとご理解いただけます。

(羊水検査を受けたいけれど流産リスクが心配という方はコチラをご覧ください。)

4. 初期中絶と中期中絶の違い

羊水検査は一般的に妊娠17週以降に受けることができる検査ですので、妊娠中期に入っている時期です。
すなわち、万が一中絶をする場合、妊娠初期の処置には間に合いません。

そもそも妊娠初期と妊娠中期の中絶では、何が異なるのでしょうか。
定義や、メリット・デメリットについて整理しましょう。

▶︎「初期中絶
妊娠11週6日までの妊娠中断処置

〇メリット
身体的・精神的・経済的負担が(中期中絶と比較すると)比較的少ない

△デメリット
実際の胎児には何の染色体異常も無い可能性がある

▶︎「中期中絶
妊娠12週0日から21週6日(※2)までの妊娠中断処置
※2 母体保護法により、妊娠22週0日以降の処置は認められていません。

〇メリット
胎児の染色体異常の有無がはっきりと確定されてから判断ができる。

△デメリット
初期中絶と比較するとあらゆる面で負担が大きい。

その他、以下のような違いもあります。
・処置の方法(中絶手術のおこない方)
・精神的負担(気持ちの負担)
・身体的負担(からだの負担)
・経済的負担(お金の負担)
これらすべてにおいて、初期より中期の処置のほうが負担が大きいと言わざるをえません。

5. 羊水検査を受けるか否か

羊水検査の必要性はご理解いただけたことでしょう。
しかし、どちらを選択してもメリットとデメリットがあります。

改めて整理するとこのようになります。
▶︎結果の確実性をとる=羊水検査を受けてから判断する=中絶する場合には中期中絶となる
or
▶︎負担の少なさ(※3)をとる=羊水検査は受けずに初期中絶をおこなう=赤ちゃんに何の染色体異常も無い可能性もある

(※3 あくまで中期中絶と比較した場合)

何を優先するかによって選択が変わります。
じっくりとお考えになり、納得のいく選択ができるよう願っています。

ご相談をお受けして

〜どちらを選択する人が多いのか〜
NIPTにて陽性の結果だった皆様は、どちらの選択をされているのでしょうか。
実際には、ほとんどの妊婦様が羊水検査(または絨毛検査)に進まれています。
つまり、中絶を検討されている場合には「負担の少なさ」よりも「結果の確実性」を重視される方が圧倒的に多いということです。

ただし、個々に様々なご事情があることでしょう。
不安なお気持ちを吐き出したい時や、この選択で良いのか背中を押してほしい時等、無料電話相談をご利用ください。
NIPTの専門家である、認定遺伝カウンセラーが対応いたします。
妊婦様とパートナー様のお考えを柱に、納得のいく選択のお手伝いができればと思います。


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(ヒライシ タカヒサ)


専門は内科、消化器科、スポーツ医学。
いつでも頼りになる医療を、さらに日々進化する医療を常に身近に、皆様にとって、なんでも相談出来るようなクリニックを目指しております。

高齢出産が増えている傾向にある日本で、流産のリスクを抑えた検査が出来るNIPTの重要性を高く考え、広く検査が知れ渡りみなさまに利用していただける事を目指しております。


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