望んだ妊娠なのにNIPTを受けることは矛盾している?

相談

妊婦様からのご相談

NIPTを受けたいと思っています。
夫から「もし陽性だったらどうするの」と聞かれ、「妊娠を諦めるかもしれない」と答えました。
夫は望んだ妊娠なのにどうしてと思っていて、責められているように感じます。
検査日が迫っているのに、受検していいものかモヤモヤしています。

この記事からわかること

・多くの方が抱える不安や後ろめたさ

・後ろめたさの正体は

・NIPTは今しか出来ないこと?

・大切なのは「得られた情報を正しく使うこと」

ご相談をお受けして

多くの方が抱える不安や後ろめたさ

NIPTの受検者様からお話を伺っていると、その多くの方がご不安や後ろめたさを抱えていることがわかります。
よく聞かれる内容をご紹介しましょう。

・NIPTに対し夫婦で意見の相違があり受検について一人で悩んでいる。

妊娠の喜びよりも不安が大きく、両親や会社に報告できずにいる。

・1人目を妊娠した時のような手放しの嬉しさではなく、上の子に迷惑をかけられないという気持ち。

・受検したいが担当医がNIPTに否定的なので相談できずにいる。

お腹の赤ちゃんのことだけでも心配なのに、上のお子さんやパートナー様、主治医、職場や両家……妊婦様が様々なご不安を抱えていることがわかります。

「不安の一つでも解消したい、だからNIPTで赤ちゃんの健康状態を知りたい」と思うのはいたって自然なことです。

受検者様を悩ませる不安の正体とは

それなのに妊婦様が後ろめたく感じてしまう理由は何でしょうか。
それは「周囲の理解が追いついていないから」に尽きると私は感じています。

昔と比べ、女性を取り巻く環境は一変しました。
共働きや高齢出産、周囲のサポート無しのワンオペ育児等がその典型です。
あれもこれも、女性が背負わなければならない事が増えたのです。

それなのに「どんな子であれ育てるのが当然」という周囲の無言の圧力が、妊婦様を孤立させてしまっています。
とりわけ医師は命を救うことに使命感を持っているからこそ、妊娠中断に否定的な考えをお持ちの方が多いように感じます。
医師だけでなく親御様におかれましても、ご年配であればあるほどNIPTに否定的な傾向がみられます。

しかし、NIPTの受検を考える妊婦様は「妊娠を望んだのに無責任」なのではありません。

愛おしい我が子だからこそ、

・将来自立し生きていけるのか

・きょうだいの負担になってしまわないか

・自分達がいなくなった後も大丈夫か

等、色々なご心配が巡るのです。

赤ちゃんへの責任感をお持ちだからこそ、赤ちゃんの健康状態を知りたいと望まれているのではないでしょうか。

NIPTを受けるか否かに関わらず、どの女性にとっても妊娠・出産は命懸けのテーマなのです。

NIPTは今しか出来ないこと?

なお、改めてNIPTについてお伝えしておきたいと思います。
NIPTは任意の検査ですので、受けても受けなくても構いません

染色体情報は既に決定されており、生涯変わらないものです。
NIPTを受けたからといって、また受けなかったからといって結果は変わりません。

つまり、NIPTはそこにある事実※を見に行くかどうか、でしかないのです。
※NIPTは診断ではなくあくまで可能性です。陽性の確定診断には羊水検査や絨毛検査が必要です。

また、NIPTは妊娠を継続するか否かを左右する検査というイメージが強いですが、必ずしもそうとは限りません。

なかには、産むことを決めた上でNIPTを受けておきたいという方もいます。
万が一治療が必要となる場合、事前にリスクを把握していることで早期の介入ができるからです。
症状がいつどのようなタイミングで起こるかは予測できませんが、診断がついているからこそできる準備があるのです。

また産むことを決めているということでしたら、妊娠中のNIPTではなく、赤ちゃんが生まれてから染色体検査をすることも可能です。

赤ちゃんの染色体情報を出生前 / 出生後 いつ見に行くのか、それとも見に行かないのか──
人によって様々な考えがありますが、いずれの選択も尊重されるべきものです。

得られた情報を正しく使うこと

周囲がどう言おうと、育ててゆくのはあなた自身です。
もし医師や親御さんがNIPTに否定的なご様子でしたら、無理に相談しなくてもよいと思います。
正しい情報を経た上で、妊婦様ご自身が検査したいかどうかで決めてよいのです。※

※赤ちゃんのご両親である、妊婦様とパートナー様両者のお考えで決断されることが最善です。パートナー様は妊婦様に任せる、ではなくご自身の問題として考えることが大切です。

そしてNIPTを受検される場合には、結果を「正しく判断し活用する」ことが非常に大切です。

検査結果はひとりで判断せず、専門家と一緒に確認することをお勧めします

平石クリニックでは、専門家である「認定遺伝カウンセラー」が、妊婦様と同じ検査結果画面を見ながらお電話にてご説明しています。
※ご希望者によるご予約制。無料。回数制限無し。

・受検前の情報提供

・検査結果の見方や捉え方

・その後のフォロー

等、継続的なサポートをさせていただいております。

お話することで安心に繋がります。
NIPTを受けることを勧めたり、また、結果に対してのご決断を否定することもありません。
赤ちゃんのことを一生懸命考えていらっしゃる、全ての妊婦様を応援しています。


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(ヒライシ タカヒサ)


専門は内科、消化器科、スポーツ医学。
いつでも頼りになる医療を、さらに日々進化する医療を常に身近に、皆様にとって、なんでも相談出来るようなクリニックを目指しております。

高齢出産が増えている傾向にある日本で、流産のリスクを抑えた検査が出来るNIPTの重要性を高く考え、広く検査が知れ渡りみなさまに利用していただける事を目指しております。


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