新型出生前診断(NIPT)と羊水検査の違いと両方受けるときの優先順

コラム

胎児が生まれつきの染色体異常や先天性の疾患をもって産まれてこないかどうかは、重要な心配事のひとつです。

もちろん産まれてくるまで何も知らなくていいという夫婦もいて、考え方はさまざまですが、気になる夫婦にとっては何とか事前に知りたいという気持ちでしょう。

出生前診断には非確定的検査と確定的検査がありますが、ここではその代表例として、新型出生前診断(NIPT)と羊水検査の違いや、どちらを優先して受診するべきなのか見ていきましょう。

新型出生前診断(NIPT)とは

出生前診断の方法には、新型出生前診断「NIPT」・羊水検査・絨毛検査などがあり、この中で妊婦や胎児への肉体的負担が一番軽いとされているのが「NIPT」であり、出生前診断を受けると決めた妊婦はこの方法を選択する割合が多いです。

検査方法は、妊娠初期である15週から22週までの妊婦から採血するだけです。

妊婦の血液中には胎盤から剥がれた胎児のDNA断片が一定量含まれていることがわかっており、そのDNA断片を集めて染色体の塩基配列など胎児のDNA情報を分析して、染色体異常や先天性疾患をみつけることができます。

ただし、この検査で発見できるのは染色体の13番・18番・21番トリソミーの3つだけです。

採血後はそのまま自宅に一旦帰宅し、検査結果が出たら再び医療機関へ行くことになります。

NIPTは母体への負担が軽い簡易な検査ではありますが、これですべての結果が決まるわけではなく、陽性反応が出たら二次検査を行う必要があります。

羊水検査を受けるのはどういう場合か

出生前診断のひとつである羊水検査は、一次検査として受ける妊婦もいますが、胎児への影響に配慮するとやはりNIPTを受けた後に「陽性」の結果が出た場合、二次的検査として受けるケースがよくみられる傾向です。

胎児が包まれて育成している羊水なので、血液のように簡単に採取することはできず、リスクが伴います。

エコーで胎児の様子をみて、大丈夫だと判断されたらGOサインが出ます。

羊水には胎児が成長する過程で体から剥がれ落ちた皮膚や粘膜などの細胞が浮遊しています。

羊水検査は、妊婦のおへその下に針を刺して羊水を摂取し、その羊水を2週間培養して染色体を調べることで染色体や遺伝子の異常を調べることができるのです。

妊婦はしばらくベッドで休憩しその後またエコーで胎児の様子をみて異常がなければ帰宅できるようになります。

ただし、羊水検査では0.3%の割合で流産の可能性があるといわれていますが、検査の影響なのか自然流産なのかははっきりしていません。

検査機関では、2週間培養させた後にさらに検査に1~2週間かかるので、結果が出るまで1ヵ月弱かかるケースもあります。

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羊水検査でどんなことがわかるのか

羊水検査は新型出生前診断(NIPT)よりも多くの染色体異常を発見することができるといわれています。

13番目の染色体が3本存在するパトー症候群・18番目の染色体が3本存在するエドワーズ症候群・21番目の染色体が3本存在するダウン症候群のほか、女性特有の疾患でX染色体が部分的に欠けているか、存在しないために身長が低く、無月経などの症状があるターナー症候群や、男性特有の疾患で、X染色体が1本以上多いことから体つきが華奢になるなどの症状があるクラインフェルター症候群といった疾患の有無が判明します。

羊水検査は染色体異常をみつける検査としては非常に精度が高いものですが、臓器の奇形や代謝異常まではみつけることが難しいです。

しかも、母体のお腹に針を刺すことから合併症や流産を起こすリスクが高まります。

検査後は子宮収縮を防ぐための抗生物質が処方されますが、保険適用外のため安くない費用を負担しなければなりません。

ダウン症候群のリスクが高くなる高齢出産の場合には、主治医から事前に相談されることもあります。

羊水検査の検査方法ごとの違い

羊水検査には3種類あり、検査方法が異なります。それぞれの検査方法と違いを紹介するので羊水検査を受ける前にチェックしておきましょう。

まず、「染色体分染法」についてです。染色体分染法は、染色体を染色して染色体の明暗パターンを可視化して染色体異常を見極める方法です。

染色によって縞模様を付けた染色体を顕微鏡で観察し、染色体の異常を探します。G分染法と呼ばれる検査が一般的です。しかし、検査精度があまり高くなく、顕微鏡で異常を発見できないケースもあります。

次に、「FISH法」についてです。FISH法は、特定の塩基配列と結合する蛍光物質を付けた短いDNA鎖を細胞の核と反応させて、蛍光顕微鏡で観察する方法です。

染色体の一部に印を付けて、健康な染色体と比較して異常を探す方法になります。

遺伝病の遺伝子検出や、大きな欠矢や重複などを見つけられますが、微小の欠矢の検出に適してはいません。また、染色体検査と比較すると早い段階で結果が分かるのが特徴です。

最後に「マイクロアレイ法」についてです。マイクロアレイ法は、蛍光物質を付けたDNA鎖を使用して遺伝子を検出します。

小さな配列を意味するマイクロアレイは、G分染法の100倍の細かさをチェックできます。検査の精度が高いのも特徴です。

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新型出生前診断(NIPT)と羊水検査のどちらを優先させるか

羊水検査は胎児自身の細胞を直接調べることになるので確定的検査となり、それだけで結果が確定することになります。

したがって、最初から羊水検査をするという選択もありますが、保険適用外で高額なうえ、NIPTに比べて時間もかかり、母体や胎児へのリスクも高まります。

また、子宮に針を刺したことによる破水・出血・感染が起こる可能性も否定できません。

万が一適切な処置がとれなかった場合は、胎児死亡や流産につながるリスクがあり、その確率は1/300といわれています。

こうしたリスクを承知の上で、最初から羊水検査を受けるのかどうか、高齢出産でもない限り医師やカウンセラーともよく相談して決める必要があります。

母体や胎児へのリスクを回避するのであれば、非確定的検査ではありますが、まず新型出生前診断(NIPT)を受けてみて陽性か陰性かを先に確かめるという選択肢もあるでしょう。

新型出生前診断(NIPT)で陽性という結果が出たら、次の確定検査として羊水検査を受けるという流れも検討する価値はあります。

出生前診断における注意事項について

新型出生前診断(NIPT)は日本医学会の認定施設でのみ実施することが許されている認定登録制の検査です。

NIPTをはじめとする出生前診断を受ける前には、検査の目的や流れに加え検査結果をどのように解釈するべきか、そしてどう行動するべきかといった説明を専門の医師やカウンセラーからしてもらう必要があります。

このような十分な遺伝カウンセリングが受けられる施設、つまり認定施設は全国でも100箇所に満たず、県内に1つもないエリアも存在します。

そのため、無許可でNIPTを実施している施設がたくさんありますが、そこで「陽性」と出てしまって施設側も妊婦さん側もどうしていいかわからず、混乱してしまい改めて認可施設で受け直すというトラブル事例も発生しています。

このような事態は母体や胎児の発育を不安定にさせる悪い要因になりかねず、これも未解決の大きな問題です。

そもそも何故この検査をするのか、どの検査を先にするべきか、結果をどのように受け止めどう行動していくのかといった遺伝カウンセリングを受け、本当の意味での検査を正しく理解し、自分たちに合った選択をするべきです。

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人工妊娠中絶に対する倫理観の問題

確定的検査で異常が確定したとき、そのショックに耐えきれない場合も考えられます。

そして、産むかどうかを悩み始めた末、人工妊娠中絶を選択する夫婦もいます。

新しい生命の尊厳と母親の自己決定権のどちらを優先するべきなのかは、簡単には白黒つけられない難しい問題です。

中絶手術自体は母体保健法という一定の条件下で認められており、犯罪行為ではありませんが、赤ちゃん自身には何の罪もないのに、命を絶たれてしまうという残酷な行為であることは間違いありません。

しかし、「重い障害をもって産まれて、世間の理解が得られないのでは?」と考える方からすれば、果たして子どもは産まれてきて幸せなのか、そして自分たちが一生抱える負担よりも子どもがこれから成長していく中でつらい思いをずっとしながら生きていくことにならないかが心配になってしまうでしょう。

そこで母親の自己決定権の問題が浮上してきます。ただし、この世に生を受けて幸せかどうかは事前に親が予想できるものでもありません。

すべてはその子ども次第ということにもなり、その子の個人的人権もあるのです。

まとめ

新型出生前診断(NIPT)は精度が高い検査ではありますが、あくまで非確定的検査であり、結果を確定させるためには羊水検査などの確定的検査を受ける必要があります。

ただし、胎児の死亡や流産のリスクはありません。NIPTと羊水検査の違いを十分に理解し、主治医やカウンセラー、配偶者とも十分に相談して選択することが重要です。

平石クリニックの出生前診断(NIPT)

平石クリニックの特徴

年齢制限なし

35歳以上といった年齢制限はありません。
年齢に関係なくどなたでも受けることができます

プランが豊富

「基本検査」「全染色体検査」「全染色体+微小欠失検査」の3種類のプランを用意しています。
知りたい内容に合ったプランをお選びいただけます。

検査結果が早い

最短3日でメールにて結果をお伝えします。
※検査会社の混雑具合やDNAの採取に時間がかかる方もいらっしゃるためあくまで目安としての日数です。ご了承ください。

いつでも予約可能

平石クリニックでは、妊娠が分かった時点から新型出生前診断(NIPT)をご予約いただけます。

土日も検査可能

平日は何かと忙しいという方は、土日の検査も可能です。

新型出生前診断(NIPT)の後の羊水検査は全額負担

新型出生前診断(NIPT)で陽性となった場合は、羊水検査にかかわる費用を全額負担いたします

認定遺伝カウンセラーに相談可能

出生前診断の検査内容や結果を正しく理解するために、認定遺伝カウンセラーに相談が可能。
認定遺伝カウンセラーは新型出生前診断(NIPT)に関する最新の知識を習得しているため、受検者様にとって納得のゆく意思決定や心理支援ができます。
検査前の不安や、陽性の結果が出た場合にも無料でご相談いただけます。

もっと詳しく見る

検査・費用

A 基本検査
◆13,18,21トリソミー検査
◆性染色体検査
◆性別判定
180,000円(税抜)
B 全染色体検査
◆1番~22番トリソミー検査
◆性染色体検査
◆性別判定
210,000円(税抜)
C 微小欠失検査
◆1番~22番トリソミー検査
◆性染色体検査
◆微小欠失検査
1p36欠失症候群、4p欠失症候群、5p欠失症候群、プラダー・ウィリ症候群、アンジェルマン症候群、22q11.2欠失症候群
◆性別判定
230,000円(税抜)

平石クリニック医師紹介

平石医師

院長:平石 貴久
1950年鹿児島県生まれ。
東京慈恵会医科大学卒業。
出生前診断評論家としてTVなどメディアの出演多数。
NIPTを受けようと検討されている方向けにセミナーなども実施。

詳細情報

羊水検査費用保証あり
年齢制限なし
当日検査あり
紹介状の有無なし
夫婦での通院なし
通院回数1回

対応エリア

下記エリアの提携院で検査可能です。

北海道 / 青森県 / 宮城県 / 栃木県 / 群馬県 / 埼玉県 / 千葉県 / 東京都 / 神奈川県 / 新潟県 / 富山県 / 長野県 / 岐阜県 / 静岡県 / 愛知県 / 京都府 / 大阪府 / 兵庫県 / 広島県 / 山口県 / 愛媛県 / 高知県 / 福岡県 / 佐賀県 / 長崎県 / 熊本県 / 宮崎県 / 沖縄県